なのは「久々に再開を再開するよー

はやて「ってどういうことやねん。再開するって言うといてずっとほったらかしやったよね?」

なのは「夏から作者が転職して、仕事がかなり忙しくなったんだよ」

フェイト「なんとかいい環境になったみたいだね」

はやて「艦これや城プロの方も落ち着いたし、写経のリハビリ代わりに再開ってとこやね」

なのは「そうだね。前職の疲れを癒すのに艦これはかなりよかったよ。じゃ、前回の続きってことで、在日朝鮮人に対する生活保護の話だよ」

フェイト「たしかサンフランシスコ講和条約発効後の話だったよね?」

はやて「本来、生活保護法は外国人に適用でけへんのやけど、諸々の事情を鑑みて当面は適用していくいうような話やったね」

なのは「うん。で、SF講和条約後の1952年末から54年末までに、日本人の生活保護適用者が19万人減少したんだけど、在日朝鮮人の生活保護適用者は5万人増加して、在日朝鮮人の全世帯数に対しての保護率が23.1%となったの」

フェイト「どうして増えたのかな?」

なのは「うーん。戦後復興が進んで、それまで闇市や酒類密造などの曖昧な形で行なっていた経済活動が縮小したというのはあるんだろうけど、それが全てなわけはないしね…」

フェイト「朝鮮戦争の特需で雇用も進むはずなのに…就職について差別があったという解釈も出てくるんじゃないかな?」

はやて「それはあるかもしれへんけど、朝鮮戦争休戦後の景気冷え込みの影響も考えなあかんのと(ちゃ)うかな?」

なのは「二人の言い分はそれぞれ尤もだろうね。単純に割り切って断定はできないかもね。で、生活保護の適用者が増えると、保護費も増大するわけで…」

はやて「財務省、おっとこの時代は大蔵省や、が渋い顔しよるんやろねw」

なのは「そうなんだよね。大蔵省は54年1月4日、54年度予算について、生活保護の8割国庫負担を5割に減らすなどの社会保障関係費を大幅削減する原案を提出したの」

フェイト「!すごい引き下げ率だね」

なのは「生活保護の実務者である厚生省も、54年2月11日、医療扶助の適正実施を通達し、厚生省社会局は5月8日にこれまで出してきた諸通知を整理して、社発第382号「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」を通知したの」

はやて「そっか、厚生省も担当やった」

なのは「その通知には「生活保護法第一条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて左の手続により必要と認める保護を行うこと」とあって、以下の4点が書かれていたの」

(1) 生活に困窮する外国人で保護を受けようとするものは、外国人登録法により登録した当該生活困窮者の居住地を管轄する保護の実施機関に対し、申請者及び保護を必要とする者の国籍を明記した保護の申請書を提出するとともに有効なる外国人登録証明書を呈示すること。

(2) 保護の実施機関は前号の申請書の提出及び登録証明書の呈示があつたときには申請書記載内容と登録証明書記載内容とを照合して、申請書記載事項の確認を行うこと。

(3) 前号の確認が得られた外国人が要保護状態にあると認めた場合には、保護の実施機関はすみやかに、その申請書の写並びに申請者及び保護を必要とする者の外国人登録番号を明記した書面を添えて都道府県知事に報告すること。

(4) 保護の実施機関より報告をうけた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部若しくは領事館(支部又は支所のある場合にはその支部又は支所)又はそれらの斡旋による団体等から必要な保護又は援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知すること。


なのは「但し「二 生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人である場合には前記一(3)及び(4)の手続は、当分の間これを必要としないこと」として朝鮮人・台湾人に特例を設ける形となってるの」

フェイト「特例?」

なのは「うん。その理由については「終戦前より国内に在留する朝鮮人、台湾人は従来日本の国籍を有していたのであり、講和条約の発効によつて始めて日本国籍を喪失したわけである。従つて、講和条約発効前においては日本国民として法の適用を受けていた点、条約発効後においても従来のまま日本に在留する者多く、生活困窮者の人口に対する割合も著しく高い点、或は、種々の外交問題が解決していない以上、外交機関より救済を求めることが現在のところ全く不可能である点等よりして、かかる朝鮮人、台湾人の保護については、一般外国人と同様に複雑な手続を経ることは何らの実益も期待できないので、特にその取扱を一般外国人と異にし、保護の措置に関する手続を簡素化したものである」としているんだよね」

はやて「朝鮮人・台湾人を保護すべき母国の政権と日本政府の関係いう問題もあったしなぁ。韓国とはまだ正式の国交もあらへんかったし…人道的観点からの止むを得ざる善処、みたいな雰囲気もあるけど」

なのは「本国政府に保護の責を帰して無碍に放り出すわけにもいかないしね…ともかく、このように54年から57年にかけて厚生省は本来受給資格のない在日外国人、特に朝鮮人・台湾人に対する生活保護適用を定める一方で、生活保護適用・受給に対する引き締め、適正化を図ったんだよ」

フェイト「特例を設けての適用といっても、その適正化は必要だしね」

はやて「つか、なのはちゃん、その言い方だと適正やないナニかがあったような感じやでw」

なのは「んー、実はあったんだよね…今回はここまでにして、次回はそのあたりを見ていくよ」

戦後の在日朝鮮人と生活保護(1)