写経屋の覚書-なのは「今日も俵学部次官の私立学校認可に関する事項説明の続きを見るね」

写経屋の覚書-俵説明質疑(1908・41・2)_16
写経屋の覚書-俵説明質疑(1908・41・2)_17

一、学校の名称
学校は其如何なる名称に附するも当事者の任意なり但し年の為め注意を要するは既に法令を以て規定せられたる師範学校高等学校普通学校の如き名称は各其法令に依るにあらされは此の如き名称を附することを得さるは勿論なり

写経屋の覚書-フェイト「これってどういうこと?」

写経屋の覚書-なのは「私立学校は「○○高等学校」とか「××普通学校」って名称をつけたらダメってことだよ。『私立学校』は私立の高等学校や普通学校という意味じゃなくて、私立の各種学校だから、法令で規定されている師範・高等・普通学校と内容は別物なんだし、同じ名称をつけたら詐欺になるでしょ」

写経屋の覚書-はやて「そらそうやな。たとえば教員養成課程もないのに師範学校を名乗ったらあかんわなぁ…それぞれの法令に定められた条件を備えて私立の師範学校・高等学校・普通学校をつくるんやったら話は別なんやけどな」

一、学校の位置
学校設置の場所に就ても亦別に制限する所なし然れとも若し同一の地に漫然多数の学校を設置するときは孰れの学校にも所■の学徒数を得る能はすして自然相互の間に学徒収容の競争を演し或は維持財源の関係よりして当事者間に紛擾反目を惹起するか如き其実例に乏しからす斯くては折角学校を興すも目的を達せす之に費せし幾多の苦心も水泡に帰するのみか学校其ものも終に共倒れとなるの外なきに至るは実に遺憾に堪へさるなり蓋し教育機関の配置其処を得んことは特に前述の弊を防止すへき消極的理由に出つるのみならすして学生をして修学を容易ならしめ延いて教育の普及を図る所以の途也

写経屋の覚書-はやて「生徒を奪い合ってグデグデになる様子が容易に想像できるわ…」

一、学則
学則に規定すへき事項は私立学校令第三条に列挙する所の如し而して此等の事項を如何なる様式に記載するともそは当該学校の任意にして必すしも一定の方式に則りて記載せさるへからすと云ふことなし併しなから従来韓国の学校に於ては学則の制定なき学校其数少からす故に学則の記載方法に就き之を知らさる学校も亦なきにあらさるを慮り学部は告示第六号を以て私立学校学則記載例(九月一日官報掲載)なるものを公示し学則記載上の参考に資する為め之か一例を示したるを以て熟読せられんことを望む尚此記載例は各学校に於て悉く之に基きて制定することを強ふるにあらず学則の記載方は素より学校の随意なるを以て此点は誤解なからんを望む

写経屋の覚書-フェイト「私立学校学則記載例って3月27日のエントリーでちょっと見たよね。あの様式って正式のものじゃないの?」

写経屋の覚書-なのは「あの様式に従わないと受理しないってことじゃなくて、韓国には学則の制定の前例がないから書き方もわからないだろうし、参考にしてねってことなの。これは2月8日の宣教師との会見でも『設立請願事項中、学則なるものあり。然るに、従来韓国の学校には学則の規定を設けたるもの殆んどなし。故に便宜の為め、学則とは如何なる事を規定するものなるかを知らしめんが為、学則記載例をも作り之を印刷頒布せり。是唯一例を示すに過ぎず、出願者に於て適宜取捨するは固より妨げなし』って繰り返し言っているよ」

以上説明したる其他の事項に就ては概ね私立学校令若は訓令に明かなるを以て之を熟読玩味せらるゝに於ては学部の希望学部の方針等を知悉さるへきことゝ信す唯茲に一言すへきは従来設立しある学校は此際直に設立認可を受けさるへからさるにあらすそは私立学校令の末条に依り明年三月迄の間に於て認可を受け敢て妨げなきを以て念の為め之を附言す
之を要するに余は学部の方針か一般人民に周知せらるゝを切に希望するなり政府の方針か有の儘に一般人民に周知徹底せさるか為め随て浮説流言の伝播せらるゝことゝなり之に依りて一般人民の誤解を惹起して政府の意思の疎通せさることは誠に嘆はしきことなるを以て茲に各位の貴重なる時間の割愛を乞ひ如何にせは韓国をして文明富強に趨かしむへきや如何にせは教育の普及発達を図ることを得へきやとの点に就き各位の口を籍りて一般国民に伝播せしめたきことを希望し茲に各位を煩はしたる次第なり故に各位に於ても時間の許す限り充分の質問を試みられ若は意見を提供せられんことを望む
終に臨み本日の各位の御足労を謝し併せて長時間に亙る余の弁舌を清聴せられたることに就き多大の感謝の意を表す

写経屋の覚書-はやて「ま、なんぼがんばっても『浮説流言の伝播』には苦しめられるんやろけどな」

写経屋の覚書-なのは「これで説明はお終いなんだけど、続いて質疑応答があるの。今日はここまでにして次回見てみるね」

  私立学校認可に関する事項説明(1)
  私立学校認可に関する事項説明(2)