《逆愛87》


今回は4メンバー登場で少しずつ物語が動いていきますチュー




《25》

若い医者をからかう


姜小帥はピカピカに磨き上げた診療所の床に足跡がついているのを見てうんざりした。


郭城于はあれから毎日やってきてはこの若い医者をからかっている。


郭城于は姜小帥を縛りあげ車に押し込むことを想像して気持ちが高まり、姜小帥の腰に手を回して抱き寄せた。


「姜先生、この掛け軸には“妙手回春”(医師の腕が抜群で治療をすればたちまち治る)とある。おれは重病なんだ。おれの病気も治してくれ」


姜小帥は郭城于を思いきり殴ったが、郭城于は避けようとしなかった。


いやらしく舌を伸ばし、姜小帥をひ.わ.いに見つめながら殴られたところを舐める。


「姜先生。おれのこ.う.が.んの大きさが左右違うんだ。おれの目が悪いんだろうか。それとも内臓に問題が?」


そこへ、診療所に帰ってきた坊主頭の呉所畏が鋭い眼差しを郭城于に向けて言った。


「君の目は異常があるよ。瞳にウンチが入っている」


色弱の呉所畏には郭城于の赤く充血した目が黄色く見えたのだ。


姜小帥は笑い転げた。


郭城于が帰って行ったあと坊主頭について呉所畏に尋ねる。


呉所畏は池騁に捕まったことを話した。


「マスクをしていたのに、どうして分かったんだ?師匠、ぼくはこの大きな目を整形してまぶたを閉じるため整形外科に行こうかな」


姜小帥は言う。

「そんなバカな。君の顔を支えているのはこの大きな目だけだ。武器を鋭く尖らせ光らせるんだ」


姜小帥は例え呉所畏が卑劣な行為をしたとしても、その目を見れば彼の誠実さが分かった。

このように生まれ持った武器は求めても手に入らないものだ。



《26》

職を変える


池騁は城管となって1ヶ月も経たないうちに池遠端(池騁父)によって公安の仕事に転職させられた。


池騁がお粥をかけられたと聞いた鐘文玉(池騁母)が池遠端に泣きついたのだ。


池遠端は池騁を実家に呼び出して言う。


「おれはお前が小さい頃から蛇を飼うことを反対しなかった。闘蛇で儲けるのも勝手にしたらいい。しかし、きちんと働くんだ。1年後に披露宴を予約してある。それまでに結婚相手を見つけなければおれがあてがった女と結婚させるぞ」


「蛇と一緒にいることができる相手なら。な」

池騁は答えた。


鐘文玉は池騁に彼女ができれば池騁の性格も丸くなるだろうと考えていた。


池遠端は池騁に王震龍が半身不随になったことに関係があるのかと尋ねた。


池遠端は地方から来て困窮していた王震龍の父の面倒を見ていたため王震龍のことも知っていた。


「そんなやつ知らない」池騁は淡々と答えた。


警察署では窃盗団逮捕のために10数人の私服警官を配置し、池騁もメンバーに加わった。


単独行動をしていた池騁はバスに乗り込む女性を狙っている若い二人組のスリを見つけ捕まえた。


池騁は1人のスリの腕を掴み5mほど引きずったのでスリの顔の半分の皮膚が剥けた。


もう1人のスリは恐怖で失禁し逃げようとしたが池騁に捕まり看板に向かって投げ飛ばされて前歯が2本折れた。



ここ数日診療所は風邪の患者で溢れかえり、姜小帥は対応に追われていた。


姜小帥は指先でボトルキャップを転がしていた呉所畏に注射器を取ってくるよう言った。


いつまでも取りに行かない呉所畏に注意をすると「注射器は師匠のポケットにあるよ」と言う。


そんなわけはない。

姜小帥がポケットを確認すると確かに注射器があった。


いつまでもボトルキャップを指先で転がす呉所畏に姜小帥が尋ねる。


「じ慰をするだけなのに、そんなに指先を鍛えてどうするの?」


呉所畏は姜小帥の胸を叩いて言う。


「ばかを言うな。ぼくは腕のたつ師匠から技術を習っているんだ。師匠にはたくさんの弟子がいる。ぼくが技術を習得したら成果の20%を師匠に支払うつもりだ」


姜小帥は呉所畏がスリに手を染めようとしていることを察し、やめるよう必死で説得したが呉所畏はなんでもないような表情で一般人からは盗らずお金持ちや悪者から盗るのだと言った。


「最近警察の窃盗団取り締まりも盛んだ。いつまでもそんなことはせず、ある程度したらやめるんだ」姜小帥は呉所畏に言い聞かせた。


「分かったよ」呉所畏は答えた。




《27》

どうしてお前はどこにでもいるんだ?


呉所畏は夜中に出かけた。

二重まぶたは接着して一重にし、姜小帥からカツラを借り、帽子を被って間に合せの変装をしている。


バスに乗り獲物を探すもなかなか見つからない。


終点でバスを降り、欄干で一服しながら下を通る車を見る。


「どうしてこうなったんだ。ぼくもあの中の1人になるはずだった。忙しくてもいい。安月給でもいい。ただ灯りのついた家に帰れればそれでよかったのに。このザマはなんだ」


呉所畏はひと呼吸し、顔を叩いて自らを励ました。



池騁がスリを捕まえに行くのは警察官としての責任を感じていたわけではなく、ただ散歩がしたいからであった。


仕事としてスリを捕まえるのではなく、彼にとっては娯楽でしかなかった。


署内の警官は池騁は悪のオーラが強すぎて犯罪者が逃げてしまうと言った。


そこで池騁はカシミヤのコート、手編みの帽子、高級バッグという出で立ちでiPadで映画を見ながら街を歩き、都会の優雅な金持ちを装うことにした。


やはり2人はまた出会ってしまった。


「クソ!あのハゲ頭の城管にそっくりな男がいるじゃないか!あいつをターゲットにしてやる!」

相手が池騁だとは気づかず突き進む呉所畏。


歩道橋に差し掛かった池騁はスリのニオイを嗅ぎ取ったがなんでもないフリをしiPadの画面を見続けた。


呉所畏は池騁の後ろを歩き、暗い目でポケットにあるスマホに狙いを定めていた。


池騁がつまづいたときに助けるフリをして2秒と経たないうちにスマホを盗る呉所畏。


「ありがとう」と言う池騁の深くひっそりとした眼差しと服装に強烈な違和感を感じた呉所畏であったが、平静を保ち「どういたしまして」と答えた。


呉所畏は立ち去ろうとした瞬間肩をがっちり掴まれ押さえつけられた。


しまった!罠だったか!


呉所畏は抵抗虚しく池騁に捕らえられる。


「つまづいたフリだったんだな!」と非難する呉所畏に池騁が冷たく言い放つ。


「お前はおれを支えるフリをしたのに、どうしておれはつまづくフリをしてはいけないんだ?」


突然、呉所畏は池騁の鎖骨に頭突きをお見舞いした。


池騁は痛みで顔を上げ、2人は顔を合わせた。


池騁「またお前か」


呉所畏も心の中で「クソっ!どうしてお前はどこにでもいるんだ」と悪態をつく。


呉所畏「警察は城管にこんなことまでさせるのか」


「おれは今警察官なんだよ」

池騁が手錠をカチカチ鳴らしながら答える。


なおも抵抗の眼差しを向ける呉所畏に池騁は「なかなか気骨があるやつだ」と笑い手錠をかけた。


「さぁ、行こうか」



流れ星流れ星流れ星




あぁ、呉所畏のクズデビューはもういいとして、4メンバー内最後の良心、姜小帥も染まって来てる⋯不安


近朱者赤、近墨者黑(朱に交われば赤くなり、墨に染まれば黒くなる)状態。


呉所畏のスリを容認し、変装用のカツラを提供した姜小帥⋯。


呉所畏、恨むぜ凝視


呉所畏を誠実だお人好しだと言った姜小帥と池騁、君たちの目は節穴だったよ。


呉所畏は邪悪な瞳(姜小帥談)で、暗い目になってしまった模様。


人に利用され見下され、安月給でぽっちゃり体型でも幸せを感じ毎日を過ごしていたあの頃にはもう戻れない呉所畏。


闇バイトに引っかかる若者を体現したかのような呉所畏。


そんな呉所畏をあそこまで魅力的に描き直した柴雞蛋先生と演じた梓渝の有能さよキラキラ



コネ社会の中国ではコネがあればなんの資格もなしに城管や警察官になれるのだろうか目


池騁は相変わらず凶暴でしたね。


スリAには顔の半分をズル剥けにし、スリBには前歯を2本折る私刑。

そして、それを楽しんでると?驚き


これは王震龍の半身不随にも何らか関わっているな。うむ。


チーパパの直感は当たっていたようだ。というか、池騁は過去何度もやらかしてきたのでしょう。


今のところ大きい目だけが魅力の呉所畏に池騁が籠絡されるとは思えないけど、さぁこの先どう変わっていくのか?!


そして、下半身で生きる郭城宇と、そんな郭城宇に強気で接する姜小帥の今後の行方も気になるところ!


次回もお楽しみに音譜


 


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