中国でも公司年终晚会忘年会)のシーズンに入り、酒を飲む」機会も増えています。中国では忘年会の費用は会社が負担します。もちろん飲酒運転は中国でも厳禁です。優秀社員の表彰やゲームや抽選をして賞金や賞品を授与し、幹部が各テーブルを回って従業員の労をねぎらうスタイルは日本と変わりません。さて「飲む・食べる」を例に挙げて補語の用例を紹介しましょう。
►酒を(飲む)の色んな言い方
 動詞の喝了飲んだ」と言っても「飲み干したのか」,「飲み終えたのか」どのような状況で酒を飲んだのか知りたいところです。中国語は動詞の後に補助成分を付け、意味を拡張させる補語用法があります。例を挙げると喝光了飲み干した),喝完了飲み終えた),喝空了飲んで空にした),喝多了飲み過ぎた)などの現実味のある言い方で会話します。
 中国の酒は非常に度数が高く飲めない人も沢山います。この「飲めない」と言う表現も色んな言い方があります。喝不了元々飲めない),喝不下飲み過ぎて飲めない), 喝不起金がないので飲めない),喝不到酒が無いので飲めない)などです。因みに構文の動詞には、必ず補語が必要となります。
は多くの造語を産み出す魔法の単語
 次に「飲む」以外に食べる」を考えてみましょう。吃の左辺は(くち)、右辺を構成する(くも)の象形は気流が乱れる状態「口が滑らかに動かない(どもる)」が原義です。現代では「食べる」以外に、他の動詞を後に付け造語を造る役割が主になっています。その結果「食べる」以外の全く別の造語がたくさん作られています。吃力骨が折れる),吃惊驚く),吃醋やきもちを焼く),吃苦辛酸をなめる),吃亏損をする),吃香歓迎される),吃重責任が重い),吃不开歓迎されない),吃不出耐えられない),吃不准自信がない),吃不上食いはぐれる),吃不下食べられない),吃不消やり切れない),吃不透しっかり理解できない),吃跑了お腹いっぱい),开吃さあ食べよう)など、まだ更に多くの単語があります。
►意外なことには良く用いる単語!
 日本では「」は縁起の良くない言葉ですが、中国語では「非常に~である」の用法でよく使います。累死了まったく疲れた),吓死了とてもびっくりした),麻忙死了忙しくてたまらない)、烦死了面倒くせい),高兴死了嬉しくてたまらない)などです。
 「」を用いた言い方としては热得要命暑くてたまらない),饿得要命腹が減って仕方ない)。両語ともどちらかと言うとネガティブな表現で用います。
►日常よく使う生活用語
 身近な生活用語を少し紹介しましょう。配眼鏡めがねをあつらえる),补牙歯を治療する),淋雨[lin2yu3](雨に濡れる),胡说でたらめを言う),不在乎気にしない),は「休む」以外に假货(にせもの)、は「逆さ」以外に倒一杯茶茶を注ぐ)という用い方をします。
 一風変わった面白い単語で野孩子しつけの悪い子),二手中古),耳背耳が遠い),不求人背中を掻く孫の手),踅噘[xue2jue1] (ふくれっ面をする),太阳很大日差しが強い),防晒油[fang4shai4you2](日焼け止め),太牛了すごい), 数不清数えきれない),有数よく知っている),天选之子運の強い人),正儿八经几帳面)など当地中国に行かなければ、なかなかお耳に掛かれない言葉です。
 中国ネイティブのサポートを受けてこれまで5回に亘り、中国語の用法を紹介してきました。
 今年もいよいよ終わりに近づき、次月は中国における今年の最新流行語をお届けしましょう!