中国で生活していて、「これは便利!」と思ったモノが沢山ありました。最も便利なモノはスマホ決済です。中国の代表的なスマホ決済としてwe chat pay支付宝があります。市民生活に浸透しており、なんと路上で野菜・果物を販売している露店や行商人への支払いもスマホ決済、果ては個人間で送金ができ少々驚きました。スマホ決済は日本でも徐々に増えていますが、普及率はそれほど高くありません。日本よりもっと早い時期に、スマホによるタクシーの呼び出し、鉄道・飛行機のチケット予約もできました。本当に便利になっています。
 私が中国へ赴任した2013年頃、「今日の天気はどう?」と聞くと、同僚は「あと何時間後に雨が降りますよ!」と教えてくれました。中国人はどうして雨の降る時刻まで分かるのかなと不思議に思っていました。日本では雨雲レーダーが利用出来るようになったのは最近ですが、当時 中国ではローカルエリアの時間刻みの雨情報を得ることができました。
次に阿里巴巴(アリババ)の通販ネットです。中国では一般に夫婦共働きですので、日中の荷物の受取ができません。それで街角にコインロッカーのような受取用ロッカーを設置し、スマホで開錠信号を送って荷物を取り出すシステムが出来上がっています。日本でも最近見掛けるようになりましたが、中国が先行しています。そして扫马自行车(シェアサイクル)です。予め会員登録しておくと街角に置かれている自転車をスマホで開錠し乗ることができ、何処へ乗り捨てても自転車に搭載されているGPSを頼りに回収車で回収します。
 日本では漸く「マイナンバーカード」が普及し始めました。中国ではICチップ内蔵の次世代型身份证を全国民が保有しており、各種手続きでなくてはならないものになっています。2013年の着任時には、すでに銀行で預金通帳が無くネットバンクへ変わっていました。
このように中国ではICT(情報通信技術)が急速に進歩し、ライフスタイルが変わっています。この分野において、中国は日本より遥かに進歩しています。しかしながら、ICTが急激に進歩し、活用できる人は益々便利になりますが、高齢者など活用できない人にとっては益々不便になる「デジタル格差」と呼ばれる社会問題が発生しています。
 手軽な乗り物では电动自行车(電動自転車)が便利です。日本のアシスト機能付自転車でなくて、原付オートバイと同じ乗り物です。免許が不要で法律上は歩行者と同じ扱いです。1回の充電で40km程度走れ、かなりスピードも出るので広い中国大陸では重宝な乗り物、爆発的に普及しました。かつては自転車の洪水、今や電動自転車の洪水です。しかしバッテリーが突然発火する現象が発生しその対応に追われています。道路には立派な自行车专用(自転車専用道)が設置され安全に走行ができます。道路には自転車専用道が設置され、車一台が悠々に走行できるほどの幅があります。国土が広いので羨ましいです。
 日用品では雨具の「ポンチョ」が便利です。雨が降れば上から簡単に着ることができ、下が開いていますので蒸れることもありません。日本でも最近チラホラ見掛けるようになりました。
冬の季節は足首までスッポリ包み込む「防寒スリッパ」が重宝します。足首まですっぽり覆うのでとても暖かいです。公園に行けば「健康道具」が設置されており、手軽にストレッチ体操ができます。健康道具だけでなく、卓球台・将棋盤まであります。そして「広場舞い」ができる広いスペースがあり、皆で音楽に合わせて踊っています。
 前段で述べましたが、諸外国に比べて日本のICTの普及は遅れていると言われています。ようやく政府はデジタル庁を創設し普及に本腰を入れ始めたようです。
(写真左:電動自転車、写真中:ポンチョ、写真右:防寒スリッパ)