シベリアからクリスマス寒波が襲来、日本各地で最低気温を更新しています。日本が寒ければ、中国東北部の寒さはもっと厳しいです。12月22日の冬至以降、気温がぐんぐんと下がっています。最も寒い中国最北端の状況を、中国の報道からお届けしましょう。

 今冬は黒竜江省の殆どの地域で最低気温が-30℃まで下がりました。最北の漠河市阿木尔镇”では、最低気温が-48度まで下がり、去年の40年ぶりの最低気温である-48.4℃という記録に近付いています。市場の魚は、並べて置くだけで急速冷凍です。漠河市は、ロシアと国境を接する中国最北の町、最も気温が低い町の一つであり、一年の半分は冬です。厳しい寒さは、住民の生活に色々な問題を引き起こしています。-40℃以上では自分の息で眉毛が凍り付きます。ドアノブに素手で触れると凍り付いて離れなくなり、メガネの弦も肌に引っ付くので注意が必要です。屋外は非常に寒くて数十分も居れず、移動の時は車での移動が必須です。

 気温が-30℃以下になると空気中の水分が氷結して霧となる冰霧”(氷霧)が発生し、見通しが極端に悪くなります。「氷霧」は極寒の地域に見られる自然現象で、北海道で見られる「ダイヤモンドダスト」とは異なります。「ダイヤモンドダスト」は-10℃以下で発生し空気中の水分が昇華して氷の結晶が降下する現象ですが、「氷霧」は降下せずに空中に漂っています。「氷霧」は気温が-30℃以下で発生、太陽光を散乱させ輝いて見えます。氷霧は風がなく雲もない午前6〜7時に発生、氷霧が発生した日は視界が非常に悪くなり、10mも離れれば人影は見えません。車が氷霧の中ヘッドライトを点けてゆっくりと走行しています。視界はわずか10m、道路も凍り付いているのでゆっくりと走行しなければなりません。

 非常に空気が乾燥し湿度は20%です。 肌にひび割れが発生しますので、油性を持つ保湿効果の高いスキンケア製品が必須です。温暖な南部地域から来た中国人は良く鼻血を出します。夜寝る前に枕元に水を入れたコップを置くなどして乾燥を防ぎましょう。毛皮の帽子やマフラーはもちろんのこと雪による日光の反射が強いので、目の保護にサングラスを着用するようにと旅行会社から注意されます。 まだ漠河市より更に寒い村があります。北緯53°29、シベリアに近くその名も“北極村”と言い、2009年12月31日には最低気温-52.3℃を記録しました。気温が-40℃以下は日常茶飯事、0℃以下の日は一年の8カ月にも及び、7月の真夏でさえ18~20℃です。冬季は 屋外に10分も居れば、まつ毛は霜で真っ白になります。北極村も「氷霧」が発生することで有名です。早朝、屋根や軒下の雪が朝日に輝いて神秘的なピンク色を放ち本当に綺麗です。

 この寒い時期に北極村を訪ねる4日間の厳寒体験ツアーを紹介しましょう。

   ◇1日:ハルビン駅を漠河市に向け出発。夜行列車K7039(17:33発⇒翌07:25着)。

 ◇2日:漠河市から車で87km離れた北極村へ移動。途中の有名な景勝地“金之冠”“圣老 

     人之家”(サンタクロースの家)へ宿泊。

 ◇3日:朝食後、中国とロシアの国境を見学。対岸のロシア極東のイグナスイルオ村を訪問。

     国境警備隊第一哨戒所を見学。「北極沙州」を2.5km程度散歩。中国最北の郵便局で

     記念撮影。北極村で夕食後同村に宿泊。

 ◇4日:車で漠河市に戻る途中「北極星広場」や 国内唯一無二の原生林、大火災記念館を見

     学。列車でハルビン駅へ戻る。

  (写真左:砂漠河市の位置、写真右:今週 河北省保定市から届いた写真「雪が降ったよ!」)