中国では大きく北京料理、四川料理、上海料理、広東料理の四大料理があります。
その中の四川料理は、唐辛子、山椒などの香辛料を多く用いて辛いです。中国で人気のある“火鍋”(huo3guo1)は四川省から生まれ、全国に広まりました。中国っ子は本当に火鍋が好きで一年中食べていますが、やはりこの冬の時期が美味しいです。下の写真は私が通っていた中国の全国チェーン店“呷哺呷哺(xiabuxiabu)”の火鍋の写真です。この店の名前を「シャブシャブ」と発音しますが、どうやら日本から逆輸入された単語のようです。日本から逆輸入された単語には、 ”经济”、“新闻”、 “银行”、“人气”、“料理”など他にも沢山あります。
“呷哺呷哺”の火鍋は、とても美味しく誰もが病み付きになります。鍋のスープを、”鍋底”(guo1di3)と言い、種類として”泰麻辣”、”麻辣”、”蘑菇“(キノコ味)、”西红柿“(トマト味)、”咖喱“(カレー味)など有り、中国っ子には”麻辣“と”蘑菇“が一般的に好まれます。日本人にとって”泰麻辣“はとても辛く食べたお腹をこわし、翌朝 トイレから出られなくなります。”鍋底”自体にも味が付いているのですが、色んな調味料や薬味の「付けダレ」に漬けて食べます。特製味噌、特製醤やネギ、パクチー、ニンニク、唐辛子などの薬味を適量取り、ピーナッツペーストと混ぜ合わせます。煮立ったスープに牛、羊肉、野菜などを入れ、ゆで上がったらこの特製タレに漬けて食べます。思わず”真好吃!“。肉の甘さとタレの深いコクが見事に調和してとても美味しいです。
感心することは、使用される調味料が実に沢山あることです。調味料として“酱油”、”醋”,“甜酱油”、“甜缅酱”、“豆豉酱”、“桂花酱”、“豆瓣酱”、“芝麻酱”、“牡蛎油”、“海鲜酱”、“鱼露”,“XO酱”、“辣油”があります。薬味としては、“大蒜”(ニンニク),“葱”(ねぎ),“香菜”(パクチー),“辣椒”(とうがらし)があります。これらを火鍋の付けダレとしてブレンドして食べます。
香辛料の一部も火鍋のスープの味付けに使用されています。代表的な香辛料には“花椒”(さんしょう),“辣椒”(タカの爪),“桂皮”(シナモン),“八角”(はっかく),“陈皮”(みかんの皮),“甘草”(カンゾウ)などがあります。その他として“棗”(なつめ)、“党参”(トウジン)、“枸杞”(クコノミ)、“生姜”(ショウガ)、“長葱“(長ねぎ)などの薬膳(漢方)を入れます。火鍋を言葉で敢えて表現するなら、全ての調味料、香辛料、薬味を組み合わせてハーモニーを醸し出し、コクのある奥深いうま味を出しています。火鍋が中国っ子を惹きつけて止まない所以です。(写真は呷哺呷哺で撮影の火鍋 左:色んな調味料、右:一人鍋<78元>)