なおちゃんが泣いてる。
僕を抱きしめて、泣いてる。
「ジュンス、どしたの?お話しないの?動けないの?」
なおちゃんの 優しい涙が僕の顔に落ちてくる。
顔を覗き込まれ、頭を撫でられ、『 ごめんね 』 と。
どうして なおちゃんが謝るの?
なおちゃんは 何も悪くない。
『 ごめんね 』 は僕の方だよ。
泣かないで・・・なおちゃん。
体が動いたら、その涙を拭ってあげるのに。
声が出たら、歌を歌ってあげるのに。
僕には・・・それができない。
頭を撫でて、慰めてあげることも、
抱きしめて、温めてあげることもできない。
なおちゃん・・・泣かないで・・・
なおちゃんが泣くと、僕は もっと悲しいよ。
体が硬くても、僕は一生懸命に腕を伸ばした。
なおちゃんに、腕を伸ばした。
大好きだと伝えたくて。
話ができなくても、体が動かなくても、
僕は なおちゃんが大好きだと伝えたかった。
僕に心をくれた なおちゃん。
たくさんの愛を、優しさをくれた なおちゃん。
僕は ずっと なおちゃんのそばにいるよ。
これからも なおちゃんの成長を見ていくよ。
僕は、ここにいるから、泣かないで・・・
「なお・・ちゃん・・・・だいすき・・だよ・・・」
そして・・・・僕は なおちゃんと話ができなくなった。
僕の声は なおちゃんに届かなくなった。
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「なおちゃん・・・泣いちゃだめだよ。」
