もうすぐ夜明けか・・・
隣で眠るユチョンの頬をひと撫でして、
しばらく その顔を眺めていた。
一時・・・・自分がドラキュラであることを忘れた。
忌々しい呪いのような時間から開放された。
ユチョンが・・・忘れさせてくれた。
こんなに胸の中が穏やかなのは初めてだ。
ユチョンの頭にキスを落とし、浴室に向かった。
シャワーを浴びながら考える。
寝てる者にキスを落とすなんて・・・まるで 愛する者にするような行為だ。
・・・・違う。
オレが愛するのは、ミッキーだけだ。
冷たい水を顔に浴びながら、頭ごと体も冷やした。
オレは、オレだ。
今まで変わらなかったように、これからも変わることはない。
そう、、、思うのに・・・心が軽い。
ユチョンに 名前を呼ばれるのが・・・嬉しいんだ。
、、、、、どうかしてるな・・・
滴る水をタオルで拭き取りながら、鏡の前を通った。
何も映してなかった鏡。それを見た瞬間に自分の姿が映る。
ドラキュラは鏡に姿を映さない。
まるで、お前は生きていない・・と宣告されているように。
意識して鏡の前に立つ時だけ、オレは この世に存在していることを鏡に許されるんだ。
鏡ごときに・・・
だから 鏡は嫌いだ。
ユチョン・・・
まだよく眠っている。
ベットに腰かけ、額にかかる前髪を梳く。
ユチョン・・・
どうして オレたちは出会ったんだろうな。
どうして お前はオレについて来た?
オレは何も生み出さない。
ここにいるのに、、見えて触れるのに 生きてないんだ。
オレは、、恐れてる。
ユチョンがそれに気づいて、オレのそばから離れて行くのを。
もう 愛した人を失いたくない。
だから オレは お前を愛せない。
誰も・・・オレは 愛さない。
そう思う一方で、助けてくれと願う。
いつまで・・・?
オレはこんな想いを引きずっていなければならない?
この体が灰になってなくなるまでか?
「ん・・・・・」
ユチョンの長い睫毛が小さく揺れる。
「・・・ジュンス?」
オレの名を呼ぶ。
オレの・・・名を・・・
泣きたくなるくらいに 幸せな気持ちになるのはどうしてだろう。
「ジュンス・・どしたの?」
目を擦りながらオレに手を伸ばし、ふわっと優しい笑顔を見せた。
「ユチョナ・・・・」
オレの望むものは何だ?
オレの心は ユチョンに出会ってから 揺れ続けてばかりいる・・・
壊れた振り子時計。
オレの時間は 止まったままなのに、
心が・・・今と過去を行ったり来たりしている。
オレの時計は、もう壊れていると言うのに・・・・
時を刻めないと言うのに・・・・

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ヨロブン アンニョン ^^
久しぶりの 『 シアキュラ 』 です。
情事後からの お話です。
また いつストップするかもですが、ボチボチと ヾ( ´ー`)