「ジュンス、いつまでそうやってる気だ?ディナータイムの時間だぞ」
「いい。ジェジュン、一人で行けば・・」

ジェジュンに出会った日、
ユチョンを追い返した日から 数日。
オレは部屋に引きこもってる。
喉の渇きを感じるが・・・どうでもいい。
渇きを感じたところで オレは死なない。
太陽の光を浴びるか、胸に杭を打たれるかしないかぎり・・・オレは死なない。死ねない。
ただ乾いて行くだけ。
血を吸っているから、潤っているだけだ。
飲まなければ、人間の老人のようにチカラなく老いるだけだ。
「ジュンス、今日も血を吸わないのか?
お前のキレイな肌が、頬が、唇が渇いてカサカサになってきてる。
オレの好みじゃないな。」
「ほっといてくれ。一人でどこへでも行けばいい」
オレの頬に触れるその手を払いのけた。
「冷たいなぁ~、もっと簡単に考えろよ。
人間だって、牛や豚を食うだろ?
オレたちが人間の血を吸うのだって同じだろ?
ただの食事だ。
食物連鎖の頂点にいるように、オレたちは人間の上に立ってるだけだ。」
「・・・・・」
「それとも何か?遠い昔に死んだ男のことが気になるのか?」
じろっと睨むと、面白そうに笑う。
「ビンゴ ♪ あっはww
ジュンス、教えてやる。あの男は虫の息だった。
オレが何者か、それこそ 『助ける』 の意味さえも理解してなかったと思う。
ジュンスをドラキュラにしたかった訳じゃない。
そうだな、、、、救われることに意味があるとすれば、
あの男は 自分よりもジュンスを優先したってとこだろ。
はい、コレで ラクになっただろ?
お前、アイツに愛されてたんだな。よかったじゃん、さ、食事に行こうぜ」
ジェジュンの言葉に、、、オレは顔を手で覆った。
ミッキー・・・バカだな。
子供の時から、いつもいつも オレだった。
自分のことは後回しで、『ジュンスが先にして 』 って。
そうか、、、ミッキー。
最後の一瞬までもオレのことを考えてたんだな。
一緒でよかったのに・・
お前と一緒で・・・・
でも・・・オレでよかった。
こんな化け物になって苦しむのが、ミッキーじゃなくてよかった。
キレイなまま、、お前はオレの心に残ってる。
ただ、お前がいないのが寂しいだけだ。
「なぁ、まだ?さっさと行くぞ」
「・・・・オレは いいよ。一人で行って、もうここに帰ってくるな」
「ツレナイなぁ~、
そんなに昔の男が恋しいなら、この間の男をオレたちの仲間にしたらいいのに・・アイツだろ?」
「違う!ヤメロ!アイツは ミッキーじゃない!」
「ふぅぅぅん、、、、ジュンスの大事な人間ね・・・・あっはww
その顔、、、オレ お前のその顔スキだ。」
ジェジュンはオレのアゴを持ち、顔を近づけて ニヤリと笑った。
睨みつけるオレに、素早く頬にキスを落とし 消えて行った。
一人静かになった部屋で考える。
どうして この姿になったのか、
どうして 自分なのか、、、
そうだ・・オレでよかったんだ。
でも、、心にポッカリと穴が開いてる。
オレでよかったんだと思えても、明日への価値を見出せない。
結局は 変わらないんだ。
オレが ドラキュラであること。
永遠に明日がやってくることは・・・・同じだ。
明日も、明後日も、ずっと・・・・オレは 一人だ。

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