ペンダントトップに彫られた文字。
『 キム ジュンス 』
裏には、住所らしきものが記されていた。
オレの住む町から 電車で 3駅くらい離れた場所。
そして、その建物を見上げる。
「はぁ、はぁ、、、、はぁ、、、ここ・・・・・・はぁ、、、、」
こんなに走ったのは 久しぶりだ。
それこそ 子供の頃 以来かもしれない。
ここに来た覚えはない。
けど オレは ここを知ってる。
バクバクと大きく音を立てる心臓は、走ったからだけじゃない。
ドアの前に立ち 息を整えようと、胸に手を置いた。
早く このドアを開けたいのに、
会いたい人が中にいるのに、、、
オレは怖くて 躊躇する。
もし違ったら?
オレの事を覚えてなかったら?
全くの人違いだったら?
オレは またジュンスを失うのか?
手の中のペンダントトップをジッと見つめて、握って願う。
ミッキー、、、オレにチカラをくれ。
震える手で、そっと インターホンを押してみた。
それでも何の反応もない。
どうしよう・・・・
でも、確かめずにはいられなかった。
ドアノブに手をかけると、そのまま ドアは開いた。
そっと オレは中に入る。
「はぁ、、、、っ、、、っ、、、、ここ・・・・」
それは オレがジュンスと生活していた部屋そのものだった。
オレは、、、帰って来たんだ。
ジュンスの元へ、、、帰って・・・・
涙が溢れていた。
心が震えて、どうにもならない。
ジュンス・・・
ジュンス・・・・・
寝室に行くと、ベットに眠る一人の男。
あぁ・・・・ジュンスだ。
オレの、、、ジュンス・・・・
夢の中で 別れた時のまま、時間が止まっているような感じだ。
あの時のまま、泣いてたのか?
「ジュンス?・・・ジュンス・・・・・」
名前を呼ぶと、濡れた睫毛がピクピクと動く。
そして、新しい涙が目尻から流れて行く。
ジュンス、、、もう 泣かなくてもいいんだ。
オレは 帰って来たんだ。
お前の元に。
流れる涙を指先で拭う。
ジュンスの涙だと、
夢の中のジュンスじゃない、
夢から覚めても消えないジュンスだと・・・・
涙で霞む目を何度も擦って、ジュンスを見る。
もう胸がいっぱいだった。
「・・・・みっ、、きぃ・・・・・?」
ゆっくりと開いた目が オレを見上げた。
その口から ミッキーと言う名前が出てくる。
よかった、、、ジュンスは ジュンスのままでいてくれた。
オレを覚えててくれた、、、、オレのジュンスだ。
もう、それだけで十分だった。
「みっ・・・・・き・・・ミッキーーっ」
くしゃっと顔を崩して、新しい涙が頬を伝う。
「ジュンス・・・泣かないで・・・」
「みっきぃ・・っ、、、ぅ・・っ・・・」
俺たちは 二人で抱き合って、
ちょっとの隙間もないくらいに抱き合って、お互いを確認した。
もう 離さない。
この温もりを、
この体を。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「ジュンス、、、」

「ジュンスっ、、、、、見つけた・・」

さて、この お話も後少しですね ^^