この家に来て数日。
今日も パパは騒がしい。
「あー!やっばい!遅刻するっ!」
ボサボサの頭で ドスドスと歩き回る。
こんな時は近寄らないのが一番。と、いうことをオレは学んだ。
昨日、蹴飛ばされそうになったからだ。
オレは 自分のテリトリーに避難して そっと パパの様子を伺う。
少し落ち着いた頃を見計らって、ご飯のおねだりをする。
パパ、ご飯・・・
オレが パパの足に前足をかけると、「ん?」 とオレを見下ろした。
「あぁ~!ミッキー おはよ。遊ぶのは帰ってからな ^^」
パパ・・・違うよ。
オレ、腹へってんの。
わかんない?
オレは後ろ足で 床をダンダン!と踏み鳴らした。
「お?なに?」
オレが鼻をヒクヒクさせると、
「あっ、あぁ~ww ご飯か!うははww」
パパ・・・忘れるなよ。
でも通じてよかった。
オレが行儀よく座って待ってると、
「ミッキー、ご飯食べろ~」
と、皿に ザラーっとカリカリのご飯が山盛り。
皿の周りにも バラバラと落ちる。
パパは顔は可愛いのに、大雑把だ。
オレ、こんなに食えない。
モソモソと ご飯を食べてると、
「ミッキー!行ってくるー!」 と、バタバタと走って出かけて行った。
パパの毎日は忙しい。
そして賑やかだ。
シーンと静まり返った部屋で、オレは体を伸ばす。
パパがいないと寂しいけど、
パパが脱いだ服は、パパの匂いが残ってて落ち着く。
満たされたお腹で、ウトウトと昼寝は気持ちよくて、心までポカポカしてくる。
この間まで、大きな人が怖くてブルブル体を震わせていたのに、
今は 何も怖くない。
大きな人もパパは特別で、この家は とても安心できる。
よかった・・・オレ、ここに来れて。
パパ、早く帰ってきて オレを撫でてくれないかな~。
パパがいないと オレ寂しいんだ。
パパが脱いだ服に顔を埋めて、また目を閉じた。
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「え?ミッキーのご飯?忘れてないよ。」

「うはんww 今朝のはセーフだってww」

「パパ、あれアウトでしょ。」
