一週間ぶりに訪れた部屋。
リビングに飾られた 二人の写真。

どうしても一緒の写真が欲しくて鏡にうつった自分たちを撮った。
二人でいることに何の疑問も持たず、ただ 楽しい時間を過ごしていた頃の僕たち。
・・・
はぁ・・・・
僕は・・・・・
ユチョン王子に、幸せになってもらいたい。
二人で生きる道がないのなら・・・
ユチョン王子が・・・結婚するというのなら・・・・
それが、ユチョン王子の幸せだというのなら・・・・
今の僕に何が言える?
同じ王子という立場でも、僕とユチョン王子は違う。
ジュノに言われた。
『一緒に生きるということは、相手の人生も背負うこと』 だと。
好きな気持ちだけで 突っ走れる程、子供でもない。
まだ自分が どう生きていくかも わからないというのに。
今の僕には・・・それだけのチカラがない。
あぁ・・・でも、、、
でも・・・イヤだ。
必死で正しいことを頭で考える。
でも、心が叫ぶ。
ユチョン王子と離れたくないと。
心臓がギュッと痛くなる。
僕は、心を落ち着けようと目を閉じ ゆっくりと息を吐き呼吸を整えた。
ちゃんと・・・話をしよう。
ユチョン王子の気持ちを聞こう。
それからだ。
僕は 気持ちを切り替えるように 部屋に置いてあるピアノに指を滑らせた。
この部屋で一緒に過ごすようになって、いろんなものが増えていった。
お揃いのマグカップ。
お揃いのパジャマ代わりのTシャツ。
他にも色違いのお揃いのモノがたくさん。
一緒に買い物に行き、自分たちで選んだ。
僕は 青。
ユチョン王子は 白や落ち着いたシンプルな色の小物たち。
その一つ一つが愛しい。
そして、運び込まれた このピアノ。
ユチョン王子がピアノが好きで、よく弾いてくれた。
ユチョン王子の創り出す音は 優しくてキレイで力強い。
けど、どこか切なくて 抱きしめたくなる。
ユチョン王子の長い指が鍵盤の上を踊るように滑るのを見るのが大好きで。
でも もっと好きなのは、
ユチョン王子のピアノの伴奏に合わせて歌うこと。
二人で音を追い、重ね、一つの曲になっていく。

僕は 心にユチョン王子を想いながら、
ピアノを弾き、歌詞を口づさんだ。
『
・・・
トラオル ス イッケッニ ナン
돌아올 수 있겠니 난
戻ることはできないの?
サランヘソ ヌンムリ ナンダ
사랑해서 눈물이 난다
愛しているから涙が出る
カスミ アパ ワソ ット ヌンムリ ナ
가슴이 아파 와서 또 눈물이 나
胸が苦しくなってまた涙が出る
タシ ノル イロボリルッカ
다시 널 잃어버릴까
君を失ってしまうのか
タシ イロボリルッカ
다시 잃어버릴까
また失ってしまうのか
ネ トゥ ヌニ ノマン ボンダ
내 두 눈이 너만 본다
俺の両目が君ばかりを見ている
ノル サランハヌン ナル チョム パラバァ
널 사랑하는 날 좀 바라봐
君を愛する俺を見てよ・・・ 』
「そんな悲しい歌より 楽しい曲の方がいいよ。」
ガチャっとドアが開いて ユチョン王子の姿が目に映った。
優しいユチョン王子の笑顔に 気持ちが和らぐ。
そして、また一つ 僕の中に 好きな気持ちが増える。
両手を広げると 迷いなくギュッと抱きしめてくれる広い肩。
僕をスッポリと包み込む腕。
好きだよ。
すごく・・・君が好きだよ。
このまま僕だけのものに なってしまえばいのに・・・
少し体を離して 見つめあう。
ユチョン王子の頬が少しこけていて、ジェジュンさんが食事が摂れてないと言っていた言葉を思い出す。
「ご飯食べてるの?」
少し細くなった頬を撫でながら言うと、
「お腹ぺこぺこ。ジュンス王子を食べさせて」 と目を細くして 笑った。
「あのさ、実は 僕もペコペコなんだ」
「じゃ、先に 食べようか」
二人で バカな会話をしながら、
僕たちは 手を繋いで 寝室のドアを開けた。
きっと 上手く言葉にできないから。
愛しくて、愛しくて・・・でも、切なくて。
僕たちは お互いの温もりを求めた。
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ジュンス王子が歌った曲は 『チョンマル』 でした。
練習風景の この部分の歌詞を抜粋しました^^
http://www.youtube.com/watch?v=woOvHohrDJM
男の人でピアノが弾ける人って、とても素敵に見えるよね。
ジュンスは 存在自体が 素敵だけど(笑)
前の職場の同僚が(男)、お酒の席で その場にあったピアノを弾いたですよ。
その時だけ、めっちゃカッコよく見えた(笑)
普段はイケてないのに(笑)←失言ww