何もする気がしない。
俺は、ステージに立つ事も 王子としての仕事も放棄した。
もともと 責任感という強い思いはない。
王子として生まれて、自分の人生は親の敷いたレールの上を生きるだけだ。
結婚し、子を成し、血を繋ぎ 国を守っていく。
それが俺に課せられた使命だった。
自分の自由にならないのなら、国を継ぐ その時まで好きに生きようと思っていた。
女と付き合うのも、自分が飽きたら 関係を解消して、
何にも執着せず、諦めることだけは上手になっていく自分。
どうして俺だけ・・・

そんな想いは、遠い昔に捨てた。
求めても自分のモノにならないのなら、もがくだけ無駄な話だ。
ユチョン・・・お前、自分でわかってたんじゃないのか?
ジュンス王子は 俺のモノにはならないだろ?
何で、手を伸ばしたんだよ・・・
自分の心に問いかける。
諦めてしまった方がラクだ と 頭の中の俺は言う。
けれど、
イヤだと。ジュンス王子の手を離したくない と 心の中の俺は叫ぶ。
初めて ジュンス王子を見た時、俺は圧倒されたんだ。
会場に全てに行き渡る歌唱力。
人を魅了する歌声。

キラキラ眩しくて、自信に溢れていて、強さというものを感じた。
なのに笑顔は可愛くて。
俺にないモノをたくさん持っているジュンス王子に惹かれたんだ。
ジュンス王子といると 俺は俺のままでいられた。
子供のようなジュンス王子と過ごす時間は、諦めて過ごした時間を取り戻しているようで。
真っ直ぐなジュンス王子の視線は、曲がった俺の心まで真っ直ぐにしてくれるようで。

・・・どうしようもなく惹かれた。

そこにいてくれるだけで。
顔を見るだけで。

ジュンス王子の温もりを感じるだけで。
楽しくて、甘くて、居心地のいい時間が流れた。
自分に課せられたものを忘れるくらい、
幸せで・・・
手に持った 酒をグイッと飲み干した。
毎日 いくら飲んでも酔えない。
俺に どんな選択をしろと?

家族が何も言わないのは、俺がジュンス王子を諦めるのを待ってるのか・・・
・・・堕ちていく。
心が闇に囚われ、深く・・・深く・・・堕ちていく。
俺は新しい酒に手を伸ばした。
想いが心の中でグルグルと出口を求め彷徨ってる。
答えがでない。
・・・イヤ、出したくないんだ。
だから・・・苦しい。
ジュンス王子・・・
会いたい。
けど、会うのが怖いんだ。
ジュンス王子の真っ直ぐな視線に、目をそらしてしまいそうなんだ。
なのに・・・心も体も、ジュンス王子を求めてる。
終わらせたくないんだよ。
「ジュンス王子・・・・」
そう 声に出してつぶやいた時に、メールの着信音がなった。
ジュンス王子からのメール。
『 ユチョン王子 夜空を見て。』
たったそれだけの内容。
俺は 携帯を握りしめながら、空を見上げた。

月の明るい光が キレイで・・・
同じものをジュンス王子も見てるのかと思うと、込み上げてくるものを抑えられなかった。
暗く沈んだ心を引き上げてくれるような 柔らかな光。
胸に溜まった黒いもやが 涙と一緒にこぼれて落ちていく。
「ジュンス王子・・・」
すごく・・・会いたくなった。
これからどうなるのか、どうしたいのか、
まだ わからない。
けど、
ただ・・・
ただ・・・・・ジュンス王子に 会いたくなった。
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またもや 久しぶりの更新です。
ホントすみません。
スイッチが入らないとなかなか書けなくて ^^;
てか・・・めちゃ暗い・・・こんなんで続き書いてもいいっすかねぇ。
パク国から見た 満月は ミッキー月。

お?じゃ、ジュンス王子が見た月と形が違うじゃん!
イヤイヤ、本編での月は 同じ月ってことで(笑)
ステキな動画お借りしました ^^