「おー!やったなぁ ジュンス王子!ナイス!」
「うははww まかしとけ!」
ここ数日、僕は サッカーの練習に明け暮れていた。
冷たい空気に 吐く息が白い。
ただひたすら ボールを追ってピッチを走る。
気持ちいい。
もやもやと考えていた事を忘れられる。
風を切って走り、ボールと仲間の動きを見ながら 攻めて守って。
ゴールが決まった時は 鳥肌がたつほど 気持ちいい時がある。
今日も、絶好調で 僕は ゴールめざして走りまわる。
が、ふとした瞬間 僕は振り返る。
「あ?ううん、別になにも。」
そこには いないのに。
振り返っても 笑顔をかえしてくれる人はいないのに。
僕は 何度も振り返る。
『 ユチョン王子・・・』
サッカーの練習や試合の時には 必ず差し入れを持って来てくれた。
たまに よくわからない 差し入れもあったけど。
『ジュンス王子!なすび!ww』

でも、振り返った時には いつも笑顔を返してくれた。
ユチョン王子が喜んでくれるのが嬉しくて、
もっとカッコいい姿を見せたくて 僕は 走っていたんだ。
振り返ればユチョン王子がいる。
それが安心できて、心地よくて
いつの間にか 当たり前のようになってた。
そして、僕は気づいたんだ。
僕の心のもやもやの正体に。
その夜、僕は ユチョン王子に電話をし、
待ち合わせ場所に向かうために 車をとばした。
公園に着くと そこには 持ち主不在の車があった。
僕は車を降りて、あたりを見渡した。
月明かりに照らされて キラキラと光が反射する水辺に たたずむ姿。
近づくにつれ、広い肩幅が大きく見えて
僕の心臓は ドキドキと音をたてた。
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ありゃ、 なんか 11話の展開と逆の方がよかったな。
流れが さかのぼってしもた(笑)