ユチョンは ガラス細工みたいだ。
透明で キラキラ光っててキレイで 繊細で 、落としたら割れてしまいそうな危うさがある。
だから 壊れないように そっと包んであげなくちゃいけないんだ。
僕には ユチョンの心に たくさんの傷がついてるように見えた。
痛くて 痛くてしょうがないくせに 誰にも手当てさせてくれない。
こんなに毎日 一緒にいるのに 僕には何もできないの?
撮影の休憩時間。
ユチョンは 屋上に上がって行った。
少し間をおいて 僕も屋上へ向かった。
雨が上がった後の 風は 湿気を含んでいたけど 世界が洗われたようなすがすがしさがあった。
そんな中 空を眺める ユチョンの姿が見えた。
声をかけようと思ったけど・・・
ユチョン・・・君の瞳には何が映っているの?
そっと 隣に並んで 空を見上げる。
「ユチョナ・・・知ってる?
雨が降っても どんなに曇ってても あの空の雲の上は
いつも太陽の光がいっぱい降り注いでるんだよ。」
「・・・うん。」
それから 二人とも黙ったまま ただ空を見上げていた。
なんとなく 言葉はいらない気がした。
このまま ずっと ユチョンと一緒に時を刻めたらいい。
今まで ユチョンが誰とどんなふうに過ごしてきたか僕は知らない。
けど、そんなことは どうでもよくて
これからの ユチョンの未来に僕がいれたらいい。
僕は・・・ユチョンに恋をしていた。
それは あまりにも 幼く遅い 胸の痛みだった。
