「ユチョナ…寒いの?」
気がつくと すぐ側にジュンスが立って、オレの顔を覗き込んでいた。
ジュンスは 時々 オレの心まで覗き込むようにしてくることがある。
クルクル丸い おたまじゃくしみたいな目で 少し首をかしげて
優しく そっと オレの心に入り込んでこようとする。
でもダメなんだ。
オレは誰にも心を許せない。
誰も オレを理解できないんだ。
寒くて 寂しくて 人恋しくて・・・
誰かに愛されたくて 必要とされたくて、温もりを求めた。
でも、一時の温もりは すぐに消えた。
誰もが オレを通り過ぎていく。
・・・でも しょうがない。
オレも 相手を見ようとはしなかったんだから。
いつの間にか そんな付き合いしかできなくなっていた。
でも、そんな関係もラクでいい。
期待して裏切られたり、置いていかれるのには うんざりだ。
気がつけば オレは どんな大人よりも 冷めたヤツになっていた。
なのに なんだろう。
コイツは。
そんなオレを許さないと言わんばかりに 真っ直ぐにぶつかってくる。
正直・・・そういうジュンスはニガテだった。
底抜けに明るく 前向きな考えを持つ ジュンス。
その純粋なほどに真っ直ぐで 真っ白なジュンスのそばにいると、
自分が 汚れている気がした。
ジュンスが お日様みたいな笑顔をみせると 幸せな気持ちになるのに、
一方で 太陽に照らされた 俺の後ろに 黒い影が見えるような気がした。
オレは その黒い影におびえる自分を認めたくなくて、
自分に嘘をつく。
でも 苦しいんだ。
本当は 救われたくて 助けてくれる誰かを探してるんだ。
ジュンス ・・・オレは こんなに弱いヤツなんだよ。
だから、そんなにオレの心に入ってこようとしないで。
お前は お日様みたいに そこで笑っていればいいから。
