今日はずいぶんお久しぶりの「済州大新聞」のネタです。
 
↓済州大新聞
 
済州大新聞はその名の通り、済州大学で発行されている学内新聞です。
済州大学に関するニュースを学生が取材して8面ほどの新聞にまとめたもので、学内の各所に置かれています。
僕が講師をしている通訳翻訳大学院の一階にも置かれており、新しい号が出るとだいたい取って来るようにしています。
 
その済州大新聞第1083号(2025年6月11日付)に日本と関連のある記事が出ていたので、ちょっと紹介したいと思います。
 
↓その記事

 

タイトルは「在日仙台済州道民会、済州大に100万円寄付」というもの。

 

内容は次の通り。

 

 在日仙台済州道民会(以下「道民会」)が済州大学に奨学基金として100万円を寄付した。

 ソン・ゴサ道民会会長及び会員11名は先月28日、済州大学を訪れ、故郷発展の願いを込めて奨学基金100万円を寄付した。

 道民会は1975年に創立され、今年で創立50周年を迎える。道民会は仙台市に居住する済州道民が文化行事やネットワークづくり、相互協力などを通じて共同体意識を強化し、済州島との絆を維持するための活動を行ってきた。また、済州島の発展に貢献し、故郷との緊密な関係を維持しようと努めてきた。

 しかし、役員の高齢化や次世代を担う会員の不足などにより運営が難しくなり、今回の寄付を最後に解散することとなったという。

 ソン会長は「最後に故郷発展の願いを込め、済州大学の学生たちの学業の一助となるよう、寄付金を届けることができてうれしい」と語った。

 キム・イルファン総長は「長年に渡って奨学金などのサポートをしていただいたおかげで、済州大学は発展することができた。そのことを忘れず、学生たちにその思いが届くよう努めたい」と述べた。(下花訳)

 

 

「在日仙台済州道民会」というのは、記事では「仙台市に居住する済州道民」となっていますが、たぶん済州島にルーツを持つ仙台在住の在日コリアンの人たちだと思います。

済州大学は創設当初から済州島出身の在日コリアンからかなりの寄付金をもらってきた歴史があるようで、学内にはその「功績」を称えるために作られた銅像がたくさん設置されており、大学本部の建物にもこれまでの寄付金ランキング(?)みたいなものが堂々と壁にかかっています。

寄付の規模は一番多い人で数億円(!)に上るようです。

 

仙台にもそういうコミュニティがあるとは知りませんでしたが、「役員の高齢化や次世代を担う会員の不足」で「解散することとなった」というのは時代の流れを感じます。

ちなみに、学内に銅像が建てられている人たちはほぼ全員在日一世の人たち…つまり済州島で生まれて、自分で日本に渡った人たちです。

 

年齢的に在日一世の人たちはもうほとんど現役を退いているでしょう(というか、亡くなっている可能性が高いと思われる)。

在日仙台済州道民会の「役員」の方々も、たぶん一世ではなく二世か三世ではないかと思います。

そうなると、その下の世代はもう済州島とは直接的な関わりのない人たちが大多数ではないかと想像します。

これも僕の想像ですが、祖父母、あるいは曾祖父母の故郷には興味がないし、韓国語も話せないし、日本国籍を取ってるし、他の事で忙しいし…というようなことで、だんだん済州島との絆が薄れていくのは仕方のないことでしょう。

仮に自分のルーツに興味があっても、コミュニティを引っぱって団体で何かしようみたいなことには、世代的になかなかならないのかもしれません。

 

済州大学にはやはり在日コリアンの寄付で作られた「在日済州人センター」という施設があり、済州島出身の在日コリアンに関する展示や寄付された品物の管理などを行っています。
在日コリアンを対象とした奨学金や留学制度もあるようで、その制度を利用している学生にも会ったことがあります。
済州島と在日コリアンの人々の関係性が変わる中で、済州大学や在日済州人センターがそういう若い世代の在日コリアンとどう向き合っていくのか、僕は個人的にとても興味を持っていますし、今後何らかの形で関われる機会があればと思っています。
 
今日はちょっととりとめのない内容になってしまいましたが、記事を読みながら思ったままに書いてみました。
 
 

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