今日は久しぶりに済州島関連ニュースの紹介。

 

先月、「ハルラ日報(한라일보)」に出ていた記事です。

 

タイトルは「済州島から無断離脱を試みたベトナム人を多数逮捕」。

 

↓この記事です

 

内容はこんな感じ。

 

(訳文)

済州道に無ビザで入国後、他地域へ無断で移動しようとしていたベトナム人とその協力者が逮捕された。

 

済州海洋警察署は16日、済州特別法違反の容疑などでベトナム人A氏ら11人と韓国人B氏を逮捕し、調査していると発表した。

A氏らは済州道に無ビザで入国した後、今月15日午後6時54分頃に他地域へ無断で移動しようとした疑いが持たれている。

B氏は彼らの犯行を幇助していたと見られる。

彼らは済州港第六ターミナルで5トントラックの荷台に隠れて莞島(ワンド)行きの旅客船に乗り込もうとしているところを、済州海洋水産管理団に発見され、済州海洋警察署へ引き渡された。

済州海洋警察署は、彼らが韓国内の他地域へ移動して就労しようとしていた見て調査を進めている。

済州海洋警察署の関係者は「無ビザで入国した外国人の道外への移動を防止するため、済州出入国・外国人庁等の関係機関と協力し、取り締まりを強化していく。海上での密航・密入国・済州からの無ビザ外国人の移動等、国際犯罪が疑われる外国人を発見したら積極的に通報してほしい」と述べた。

 

 

少し説明すると、済州島は観光客誘致を目的に、他国の国民に対して「無ビザ」での入国を許可する「無査証入国制度(무사증입국제도)」を2002年から導入しています。

この制度は特に指定された23か国の国民以外、全員に適用されるとのこと。

ちなみに、その23か国とは「イラン、スーダン、シリア、キューバ、コソボ、パレスチナ、アフガニスタン、イラク、ガーナ、ナイジェリア、イエメン、エジプト、ガンビア、セネガル、バングラデシュ、キルギス、パキスタン、ソマリア、ウズベキスタン、ネパール、カメルーン、スリランカ、ミャンマー」です。

この23か国の国民以外は、すべてビザなしで済州島に入れるわけです。

 

少しややこしいですが、韓国全土にもともと無ビザで入国できる国の人(基本的に先進国の国民)には、この制度は関係ありません。

例えば、日本人はもともと無ビザで90日間韓国に滞在できるので、その間は済州島にいようが他の地域に行こうが自由です。

でも、中国やベトナムといった新興国・発展途上国の国民はその対象外なので、済州島以外の地域に行く時には必ずビザが必要になります。

なので、彼らが済州から勝手に他の地域に行くのは「違法」なわけです。

 

記事のベトナム人たちはこの無査証入国制度を利用して済州島に入り、そこから韓国の他の地域へ移動しようとして逮捕されたようです。

 

実は済州島における「無査証入国制度」はしばしば悪用されていると指摘されています。

無ビザで簡単に入国できる点を利用して、とりあえず済州島に来てからソウルなどの他地域に働きに行ったり、あるいは済州島内に留まって不法滞在者となるケースがかなりあるとか(目的は主に出稼ぎのようです)。

もちろん、この制度があるおかげで外国人観光客の誘致(特に中国人観光客)にはかなりの効果を上げているようなので、一概に悪いとは言い切れませんが、制度的に大きな問題を抱えているのは事実でしょう。

 

ちなみに、記事の中にある「莞島行きの旅客船」は、妻の実家へ行く時にいつも利用しているフェリーのこと。

いつも乗っている船が実はこういう犯罪にさらされていると思うと、ちょっとしたスリルを感じますね。

 

 

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