韓国語の初級単語に「이상하다」というのがあります。
漢字で書くと「異常하다」、発音は「イサンハダ」です。
僕の脳内ではこの単語は「変だ」「おかしい」「異常だ」と自動変換してしまいがちです。
でも、この言葉は日本語に訳すと「不思議だ」になる場合がかなりある、ということを前学期の授業で学びました。
どうも僕は「不思議だ」と聞くと、すぐに「신기하다(シンギハダ)」という単語を思いつくのですが、そうとばかりは限らないよう。
で、最近韓国で大人気のドラマのタイトルにもこの単語が入っています。
「이상한 변호사 우영우」というドラマです。
タイトルの頭に「이상한(イサンハン)」が入ってますね。
漢字変換すると「異常한 弁護士 ウ・ヨンウ」。
僕の頭で素直に翻訳すると「変な弁護士ウ・ヨンウ」とか「おかしな弁護士ウ・ヨンウ」となります。
でも、このドラマはウ・ヨンウという主人公が自閉症の天才弁護士という設定で、自閉症に対する偏見や差別が大きなテーマになっています。
そうなると「変な」や「おかしな」は使いづらい。
「不思議な弁護士ウ・ヨンウ」ぐらいならギリギリかもしれません。
そんなことを考えつつ、日本語タイトルを検索してみると……
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でした(笑)。
インパクトをつけるためか、コンプライアンスの関係か、ともかく「イサンハダ」を直接翻訳することは避けたようです。
↓このドラマです。役者がうまいし、ストーリーもおもしろい。
https://www.netflix.com/kr/title/81518991?preventIntent=true
ちなみに、他の作品はどうなっているかというと、例えば「이상한 나라의 수학자」という映画。
これは『不思議の国の数学者』と、「イサンハン」を「不思議の」と訳していました。
そういえば『不思議の国のアリス』は韓国では「이상한 나라의 엘리스」で、やはり「イサンハン」を使っています。
数年前に見たドラマ「아버지가 이상해」は邦訳が『適齢期惑々ロマンス~お父さんが変!?~』(ダサいタイトルですね)となっており、「イサンハダ」を「変」と訳しています。
結局、場合によって「イサンハダ」の持つ意味合いがちょっとずつ違うということでしょう。
ということで、「イサンハダ」の扱いには注意が必要なようです。
ところで、ウ・ヨンウを演じてる女優さんが時々鈴木蘭々に見えるのは私だけでしょうか?(古っ!)