もうだいぶ前のことになりますが、馬肉専門レストランで馬肉コースを食べました。
馬肉を食べる文化は僕の知っている限り、現代の韓国では済州島に限られています。
僕たちが住んでいる南元(ナムォン)には馬肉料理の店がないため、隣町の表善(ピョソン)へ行ってきました。
表善はバスで約30分の道のり。
お店の名前は「コスモンマ(고수목마)」。
漢字で書くと「高手木馬」でしょうか。
お店に入って、いくつかあるコースの中から一番人気のものメニューを頼みます。
お値段は一人20000ウォン(約1900円)。
まず出てくるのは馬肉の刺身、いわゆる「馬刺し」です。
いろんな部位の刺身が出てきますが、どれもおいしいです。
その中でも僕がいちばん好きなのは、うしろの方に黒っぽく写っているレバーです。
次に出てくるのは馬肉の煮込みです。
こちらも柔らかくておいしい。
お酒が進みます。
三番目は馬肉のプルコギです。
馬肉というと臭みがあるとか、肉が硬いというイメージがあるかもしれませんが、ここの肉はとても柔らかくて臭みもなし。
その日に馬をさばくので、肉がとても新鮮だからだと思われます。
最後は馬肉のおかゆで締め。
あっさりとしてやさしい味です。
何となく日本の居酒屋でお茶漬け食べて締めるのと似てますね。
韓国では済州島の馬というのは有名なようです。
調べてみると……
① 済州島では石器時代から馬が飼育されていたと推定されており、
② 耽羅(たんら;済州島が独立国だった時の名前)から高麗に馬を贈ったという記録があり、
③ 耽羅は1273年から元に占領され、その統治期間約100年のあいだにモンゴルから数十万頭の馬が流入(その間に現地の馬と混血)
↓参考元:
で、現代の済州にもその頃から血統の続いている馬が残っており、それを保護する運動もあるようです。
保護しているということは、僕たちが食べている馬はそれとは違う種類なのでしょう。
上にリンクを貼った韓国のサイトには、興味深いことに司馬遼太郎の文章が翻訳されて載っています。
僕はその元の文章を読んだことはないのですが、たぶん『街道をゆく』で司馬が済州島を訪れた際に書いた文章(耽羅紀行?)のようです。
その主旨は、「モンゴル帝国時代の伝統的な小型で頭の大きい馬は、現代モンゴルにはおらず(混血のため、形態が変化した)、モンゴル帝国の馬は済州島だけに残っている」というものです。
信じるか信じないかはあなた次第……。
済州島ではそのような伝統的な品種を保護しているほか、牧場も数か所あって体験乗馬ができるところもあります。
馬の放牧(?)もわりと行われているようで、道路に出てきて車にクラクションを鳴らされる馬を何回か見たことがあります。
あんまり関係ないですが、競馬場もあります。
済州島にはおいしい馬肉以外にもいろいろ「馬文化」が根付いているようです。
※ 次は木曜日に更新します

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