今週から「課外(クァウェ/과외)」のアルバイトを始めました。

課外というのは、強いて日本語に翻訳すると「家庭教師」でしょうか。

教育熱の高い韓国では、幼い頃から子供に「課外」の先生をつけて、放課後や週末に家で勉強をみてもらう家庭も多いようです。

この場合の「課外」は日本語の家庭教師と同じ感じ。

 

ただ、勉強する場所が家ではなくカフェなどのこともあるので、この場合は「家庭教師」と翻訳していいのか悩ましいところです。

 

閑話休題。

 

僕が「課外」で教えるのはもちろん日本語です。

先月、「タングン」というオンラインアプリで課外の学生募集を掲載したのですが、先週になってようやく一人連絡がありました。

課外の授業(ちょっと変な言葉ですね)を週に一回、月曜日に一時間だけやりたいとのことで、今週とりあえず一回目をやってみました。

 

ちなみに、一回の授業料は二万ウォン(約1900円)です。

ネイティブスピーカーとしては安めの設定にしました。

済州島の日本語教育需要がそんなにありそうではなかったので、高く設定する勇気はなかったんですね。

 

その学生さんは済州市に住んでいるということで、ズームを使って授業をすることになりました。

授業といっても内容は特に準備せず、フリートークを1時間するだけです。

 

学生さんは中国出身のCさんという女性でした。

朝鮮族の方で、小さい頃から朝鮮語を話す機会もあり、朝鮮族の学校に通っていたということで、韓国語はほぼネイティブな感じでした。

 

中国の朝鮮族が話す朝鮮語と韓国語は基本的に同じ言語です。

ただ、訛りがかなり違ったり、使う単語が違ったりなどの区別があります。

朝鮮族でも若い世代は朝鮮語が話せない人たちも多いようです。

Cさんも、両親とは中国語で話し、おばあさんとは朝鮮語で話すと言っていました。

 

Cさんは中学校から日本語の勉強を始め、済州島に来たきっかけも「日本語を使う仕事をしたかったから」とのこと。

以前は済州島に来る日本人観光客が多かったので、免税店など日本語を使える人材の需要がかなりあったようです。

今は中国語の講師をされているそうですが、日本語もかなり達者です。

 

これは僕の十年来の主張なのですが、中国出身の朝鮮族で朝鮮語が話せる人がいちばん日本語の習得に適していると思います。

まず、朝鮮語(韓国語)が日本語と文法・語彙ともにいちばん近い言語だということは断言していいでしょう。

ただ、韓国人(たぶん北朝鮮の人も)の場合、日常生活で漢字をほとんど使わなくなったので、日本語習得において漢字が大きなネックになります(日本語を勉強したいけど漢字がいっぱいでてきてあきらめたという話もよく聞きます)。

その点、朝鮮族の人は漢字はすでに知っているので問題ありません。

朝鮮族以外の中国人の場合、「は」とか「が」とか「に」などの助詞の使い方を習得するのがどうしても難しいのですが、朝鮮語ができればそれを日本語に変換するだけなので、これも大きな問題はなさそうです(過去形とか現在進行形、「です」「ます」形も朝鮮語からそのまま変換できますね)。

 

だから、朝鮮族の人たちは日本語を勉強すればかなり早く上手になるに違いないというのが僕の主張なのですが、Cさんのような人はまさにその証拠なんじゃないかなぁ、と思ったりしています。

 

ということで、これから毎週月曜日、一時間ほど「課外」します。

 

 

※ 次は月曜日に更新します