彼が俺を好き?
本当に?
心の中の問い掛けに答えるように、彼はゆっくりとうなづいた。
緊張に凝り固まっていた体の力が抜け、大きな吐息を吐いた。
「俺、駄目だと思ってた」
「何で?」
「だって、俺達って色気皆無じゃん」
「そんなことないよ。色気あるって言われてるじゃん」
「俺はね」
「あっ、なに、それ。僕だって色気あります」
ぷうっと頬を膨らませた彼。
そう言うところが色気がないと言われてるのにな。
俺は彼の髪を優しく撫で上げ、色気があると言われている声を耳に直接流し込んだ。
「うん、色気あるよ」
ぶるっと全身を震わせて、耳を手で覆った彼を柔らかく抱き締める。
同じ性なのに、何でこんなに柔らかく甘いんだろう。
「好きだよ」
耳を覆った手を外させると、もう一度思いの丈を込めて囁いた。