その夜の月 ~5~ | infection  ~YooSu~

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YooSuが大好き!なじゅんじゅんのブログです。腐の気があるので気をつけて。

「あの、さっ」

 

 

「うん」

 

 

「あの、夏のバケーション覚えてる?」

 

 

「もちろん」

 

 

「楽しかったね」

 

 

「ああ、本当に」

 

 

「また行きたいね」

 

 

「そうだね」

 

 

「でも、さっ」

 

 

「うん」

 

 

「今度は」

 

 

「うん」

 

 

「皆とじゃなく、ふっ、二人で行きたいかな、なんてね」

 

 

ごくんと唾を飲み込む。

皆との夏の思い出。

それはそれで楽しいけど、僕は前へ進みたい。

月のような彼を、太陽の真下へ連れ出したい。

そう思って思い切って言ったのに、彼は横を向いたまま何も言わない。

ドキドキと心臓が早鐘のように打っている。

どうしよう。

冗談だよと笑おうとした時、彼は僕をまっすぐに見つめて言った。

 

 

「俺もだよ」