その夜の月 | infection  ~YooSu~

infection  ~YooSu~

YooSuが大好き!なじゅんじゅんのブログです。腐の気があるので気をつけて。

昏い。

部屋の隅に置かれたピアノに影が射している。

蓋は開かれたまま、書きかけの楽譜が置かれている。

楽譜の主に断わりもなく、それを覗く。

 

 

「ふん、相変わらずだな」

 

 

嫉妬。

自分にはない才能を持った彼は、独学でピアノを学んだ。

そのピアノから紡ぎ出されるメロディーは、優しさに溢れている。

ピアノが弾ける人は山ほどいる。

でも、何かを感じる演奏が出来る人はそんなにいない。

好き嫌いの問題かもしれないが、彼の演奏が好きだ。

それはまるで彼の心の声のように聞こえるから。