「真夏、お待たせー」
「しずく、今日もあそこでいい?」
「春日和?」
「うん」
「もちろん!毎日でもいいよ」
しずくは真夏は見つめ、うふふと笑う。
名前だけで萌える店を見つけてくれたのは真夏。
あのオフ会以来、しずくと真夏は暇さえあれば二人で会って「春を愛する会」支部会を開催している。
と言っても、ただ春カップル愛を語り合っているだけなのだか、何も隠す必要がない相手とのおしゃべりは楽しすぎて、毎日がバラ色とはこのことだと思う。
「ねえ、最近さ、ハヤトのルイ溺愛っぷりに拍車が掛かってると思わない?」
席に着くなり春の話だ。
ああ、幸せ。
「思う思う」
「春を愛する者に対するメッセージかな」
「俺達出来てます!って言う?」
「そうそう」
「ヤラセって言う人もいるけど、ハヤトとルイは本物だよね」
「本物本物」
「ああ、春の結婚式が見たい」
「見たい見たい」
「春ファンを披露宴に招待しますとかなったら・・・」
しずくと真夏は顔を見合せ身悶えた。
「たまんない!」
いつも行き着く話題に到達したところで、テーブルに置いたしずくのスマホが震えて着信を知らせた。
続く