「電気消すよ」
「うん」
ユチョンがベッドサイドの間接照明のスイッチを切ると、部屋は暗闇に包まれた。
ベッドを軋ませて、隣に横になるユチョンの気配に体を固くする。
自分で誘っておいて、緊張するなんて矛盾している。
ユチョンは信頼出来る。
僕が嫌がることは絶対にしない。
今まで一度も嫌なことをされたこともない。
でも、僕は本当に嫌なんだろうか。
ユチョンの腕が僕の腕に触れる。
この温かさは心地いい。
そもそも僕はユチョンの嫌いなところがない。
いつも我儘を言うのは僕で、それを笑って許すのがユチョンだ。
同じ年なのに、まるで兄貴のように僕を甘やかす。
僕はそれにずっと甘えてきた。
それは、ユチョンが自分を好きだと誤解してもいいような甘え方だ。
いや、誤解じゃない。
僕はユチョンが好きだ。
いつからとか分からないくらい、ずっと好きだ。
告白されて戸惑ったけど、嫌悪感など微塵も感じなかったのは、僕もユチョンを好きだからなんだ。
神の啓示を受けたように、暗闇の中でもはっきりと真理が見えた。
僕は触れ合う腕の先を動かし、そっとユチョンの手を握った。
続く・・・