消えゆく世界 ~8~ | infection  ~YooSu~

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バンッとけたたましい音を立てて、楽屋のドアを開けた。

ユチョンの姿を求めて視線を左右に彷徨わせる。

リーダーユノとジェジュンはソファーに仲良く隣り合って座り、何か一生懸命話し合っている。

マンネチャンミンは、その向かいのソファーで横になって、ゲーム機に向かっていた。

ユチョンは居ない。

来た時と同じ方向に消えたので、てっきり楽屋に戻ったと思っていたのに。

ソファーに近付くと、ジェジュンが気付いて微笑んだ。

 

 

「ユチョン、来なかった?」

 

 

「一緒に居たんじゃないの?」

 

 

「先に戻ったから、てっきりここに居ると思って」

 

 

「戻って来てないな。トイレでもいってるんじゃない」

 

 

「ちょっと探してくる」

 

 

「ふふっ、仲良いな」

 

 

ジェジュンはいかにも微笑ましいと言うように笑った。

そんなんじゃないのに。

仲が良いとかそんなことじゃなく、とにかくユチョンの姿を見て、安心したいだけなんだ。

僕は踵を返すと、楽屋を出た。

 

 

「先ず、トイレだ」

 

 

廊下の先にトイレがある。

小走りにトイレに駆け込むと、誰も居なかった。

 

 

「どこに行ったんだ・・・次はどこを・・・」

 

 

次の行き先を考え、頭を抱えた。

楽屋とトイレ以外、思い付かない。

 

 

「ユチョン・・・どこだよ」

 

 

じわっと滲んだ涙を、腕で無造作に拭うと、とぼとぼと楽屋に引き返した。

 

 

続く・・・