君の名前を呼びたくて ~49~ | infection  ~YooSu~

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力なく崩れ落ちた俺の背中に、咲也が手を回し抱き締める。

抱いたはずなのに、抱かれたような不思議な感覚。

咲也とひとつになれた。

今もまだ俺自身は、咲也の中に収められている。

体を繋げることが一番大切とは思わないが、無理かも知れないと思っていたことが出来た喜びに心が震えた。

息が整うと体を起こし、名残惜しげに俺自身を引き抜いた。

 

 

「あ・・・」

 

 

咲也の蕾から生温かい液体が零れ、咲也はぶるっと体を震わせた。

 

 

「咲、好きだよ」

 

 

「いずみ、好き」

 

 

柔らかく微笑む咲也の唇に、ありったけの想いを込めて口付ける。

激しい衝動の後に迎える、穏やかで満ち足りた時間に、いつまでも唇を重ね続けた。

恋することは特別な意味を持つ。

でも、特別な人は近くに居る。

いつでも俺を支えてくれる。

そんな人に巡り合えた。

奇跡という言葉は、使い古されているかも知れない。

でも、使い古されるくらい起こり得ることなんだ。

咲也と巡り合ったのも、恋をしたのも、気持ちが通じ合ったのも、そしてこうやってお互いを必要としたのも、すべて奇跡だ。

咲也以外とは起こり得ない、世界でただひとつの奇跡。

そして、

 

 

「咲」

 

 

「いずみ」

 

 

君の名前を呼べることが一番の奇跡。

 

 

 

続く・・・