「おい、そんなに見詰めたら穴が空くぞ」
ぼうっと彼に見惚れていた僕の肩を、メンバーがポンッと叩いた。
「綺麗だから」
目を離さないで答えると、彼は僕の肩に手を乗せて頷いた。
「確かにな。今みたいに踊っている時は何て言うか、変な意味じゃなくて身体が綺麗なんだよな。普通の時のお茶目な感じとのギャップがファンには堪らないんだろうな」
「そうなんだよ」
「あっ、忘れてた。お前が一番近くにいるファンだったな」
「うん」
「贅沢なやつめ」
彼は豪快に笑って、僕の背中をバシッと叩くと、他のメンバーのところへ行った。
贅沢。
確かにそうだ。
憧れていた人と一緒にデビューして、友達になり、家族同然になった。
そして・・・。
彼が華麗にターンを決め、バシッとポーズを決めた。
「ブラボー!」
友達の顔で手を叩くと、彼はウインクして見せた。
「贅沢だよな・・・」
手を繋ぐのは許してくれたけど、告白したわけじゃない。
今はまだ淡い期待を抱いているだけだ。
『僕が貰っていいかな?』
心の中で大切なファン達に聞いてみたが、答えは返って来なかった。
続く・・・・・
いいよー!←答え
ええい、うじうじしてないで、さっきと自分のものにしやがれーヽ(゜▽、゜)ノ←崩壊中