「内緒だよ」
耳元で君が囁いた。
次の言葉を待つ俺の耳に、信じられない言葉が飛び込み、舞い上がりそうになる自分を制した。
と、思っていたのに、表情まで隠せなかった。
俺達の仲を喜ぶファンは、その一瞬さえも見逃さなかった。
瞬く間に拡散された画像に、俺は苦笑い。
どんなに隠そうとしても、この気持ちは隠せない。
だって、彼が俺に告げた言葉はこれなんだぜ。
『僕はね、君が一番好き』
そんな言葉を好きな人から囁かれたら、誰だってこんな顔になるのさ。
世界中の幸せをひとり占めにしたような顔にね。
「俺も君が一番好きだよ」
ずっとね。
