「なあ、どうしてあんなに可愛いと思う?」
「さあ」
「何だよ、そのつまんなそうな顔は」
何度も言ってるけど、つまんないんだよ!
喉元まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
「あんなに可愛い人が、俺の恋人なんだぜ。離れている間は、いや、一緒に居ても気が気じゃないんだよ。今日だって、撮影のとき皆が見てたんだぜ。バックダンサー達なんか、あの天使ポーズに「可愛いっ」て身悶えてたんだぜ。そりゃ、俺だって冷静になろうとしたさ。あの可愛さだから、仕方ないってな。でもな、そこにいた全員がとろけそうな顔をしてるのを見たら、分かるだろ。ああっ、心配だ!」
ああっ、何て馬鹿馬鹿しい!
そう叫びたくなったが、ぐっと我慢して言った。
「でも、その可愛い人はあなたに夢中なんですよ。誰に言われるより、あなたに可愛いって言われる方が嬉しそうです。もっと自信を持って、デンと構えて下さい。あなたは彼の最愛の恋人なんですから」
「最愛の恋人?」
「そうです」
「俺が?」
「そうです」
兄の顔がデレッと緩み、そうかぁ、最愛の恋人かぁとぶつぶつと繰り返すと、ありがとうなと言って部屋を出ていった。
ああ、これで晴れて自由だと思ったのに、今しがた話題に上った可愛い人が駆け込んできた。
To be continued.....
ふふっ( ´艸`)
こっちもバカップルー(≧▽≦)←バカップル好き