薄暗い廊下を、彼の部屋へと向かう。
結局、ご飯も食べずにひたすらピアノに向かっていた。
いつの間にか、彼への溢れ出る想いを音に変える作業に没頭して、気付いたらこんな時間になっていた。
夜半の家は物音ひとつしない。
仕事は毎日忙しい。
皆、早々にベッドに入ったのだろう。
「起きてるかな・・・」
話があると自分から言っておいて、こんな時間まで待たせるなんて。
相変わらずの段取りの悪さに、苦笑するしかなかった。
彼が起きて待っていてくれる保証はない。
でも、行かなければ、やっと決心した告白も、今日を逃せばまた臆病風に吹かれて先伸ばしにしてしまうかも知れない。
「顔をあげて、臆病風に立ち向かいなさい」
Jに言われた通り、うつ向き加減の顔をあげて、廊下を進んだ。
直角に曲がると、彼の部屋のドアが見えた。
閉じられたドアの隙間から、灯りが漏れて、廊下に光の帯を作っている。
起きていてくれた。
それだけですでに舞い上がる気持ちで、足早にドアの前に立つと、迷わずにノックした。
To be continued.....
廊下を歩いただけ・・・
何でこんなに進まないのー。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。←お前のせいだよ