「ジェジュン」
俺の声にピタッと包丁の音が止み、ジェジュンが手元から顔を上げて俺を見た。
ドキッと俺の胸が鳴る。
ジェジュンの目は、濡れて見えた。
「なにユノ?」
その声に苛立ちは感じない。
普通なんだけど、いつもとちょっと違う。
どこがと聞かれても言えないが、俺の直感が違うと警鐘を鳴らしている。
「あの・・・何かあった?」
「えっ、えっ、何で?何もないよ」
包丁を俎板に乗せて、両手を自由にすると、その手を胸の前で左右に振った。
しかも極上の笑顔付きで。
俺の思い過ごしならいい。
でも、ジェジュンはとにかく我慢強い。
俺ならとっくに参っていると思うような時でも、何事もなかったかのように振る舞う。
そして心に大きなダメージを受け、自分を追い込んでしまう。
その我慢の原因が俺だったら最悪だ。
「そうか。それならいいけど。あっ、そうだ。ジェジュン行きたい店があるって言ってたよな。今度のオフにそこに行こうか」
「あっ、うん。でも、いいや」
「えっ、何で?」
「それはその・・・あっ、そうそう、ユノはあまり好きそうじゃないから、無理させたら悪いしね」
「いいよ、別に。そんなに気を使わなくて。俺、ジェジュンと付き合うようになってから、意外と苦手な店減ったんだぜ」
「でも・・・」
「ジェジュンの行きたい店に行こう。最近、デートもしてなかったし、今度のオフはジェジュンが前から行きたがっていた店のはしごをしようよ」
デートと言う言葉に飛び付くと思っていたのに、ジェジュンはただ困ったように微笑んだ。
To be continued.....
何故だ・・・
何故・・・
続いてるんだ(T_T)←見切り発車だからだよ