言葉はいらない 「ねえ、この僕いつ撮ったの?」 「世界が見えるかな?」 「見て、似合う?」 君が次々に俺に質問を投げ掛ける。 「この前の夜だよ」 「ジュンスなら見えるかもな」 「とっても似合うよ」 もっと上手い言葉があるかもと思いながら、俺は答えた。 君が好きだ。 君のすべてが好きだ。 こんな小さな瞬間にも、俺はそんな気持ちを味わう。 君を見つめた。 君も俺を見つめた。 胸の高鳴りを誤魔化そうと、言葉を捜す俺に君は言った。 「言葉はいらない」 俺達は唇を重ね、体を重ね、二人の言葉を紡ぎ合った。