そうっとドアを開け、身を滑り込ませると急いでドアを閉めた。
「よかった。居ない」
ユチョンはまだ帰って来ていない。
だから来たのに、居ないことを確認してほっと息を吐いた。
「えっと、どこかな」
一番怪しそうな本棚を探ると、隠しもせずに目立つところにそれはあった。
発売数時間で売り切れたゲームを、ユチョンが得意気に僕に見せたのは昨夜。
貸してと言う僕に、
「俺が飽きたらね」
と、手も触れさせなかった。
「ちょっと借りるね」
呟いてゲームに伸ばした手が止まった。
綺麗な木箱がその横に置いてある。
たまにユチョンのものを借りる僕でも初めてみる箱だ。
「ファンのプレゼントかな」
勝手に見るのは憚られる。
でも好奇心には勝てない。
こんなに目立つところにあるんだから、中身は見られても困るものではないだろう。
僕は伸ばした手で木箱を掴んだ。
軽い。
中身は入っていないのか?
軽く左右に振ると、カタカタと小さな音がした。
「ユチョン、見るからね」
まるでそこにユチョンが居るように、はっきりとした声で呟くと蓋を開けた。
「えっ?」
目に飛び込んできたのは、よく見知った顔。
幸せそうに笑うユチョン。
そしてその隣には。
「僕の写真・・・」
写真が束になって入れてある。
箱から取りだし一枚ずつ見ると、すべてユチョンと僕のツーショット写真だ。
「これも、これもだ。何でこんなに」
写真の間からハラリと何かが床に落ちた。
拾い上げると二つに折られた紙だった。
広げてはいけない。
そう思いながらも、僕は僕の手が紙を開くのを止められない。
紙には歌詞とも取れる言葉が書き綴ってあった。
写真がなかったなら、甘ったるい言葉の羅列を笑っただろう。
でもその言葉に僕の心臓が早鐘のように鳴った。
「見たね」
ビクッとして振り返ると、いつの間にかユチョンが立っていた。
僕は慌てて写真と紙を箱に戻し、元の場所に置いた。
「で、何か言うことは?」
ユチョンが聞く。
僕はゴクッと唾を飲んで言った。
「あの・・・ユチョンは僕を・・・好きなの?」
「バカ言うなよ」
「そっ、そうだよね。ははっ、びっくりした」
いくら写真と紙を大切そうにしまっていても、そんなのは僕の自惚れだ。
「好きだなんて、そんな生半可な気持ちじゃないよ」
「えっ?」
「愛してるんだ、ジュンス」
甘い愛の言葉と共に、僕の唇がユチョンのそれで覆われた。
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木箱の中には本当は!
ユス菌がいっぱーい(≧▽≦)←だから大切にしてあるの
また小説書いちゃったよ( ̄ー ̄)
浮かぶ時には浮かぶんだよね\(^_^)/←いつ止まるか分からないけどね
