「ジュンス」
ひやりとした手が優しく頭を撫でる。
僕はこの手を知っている。
いつも優しく僕を見守る手。
「ん・・・ママ・・・」
その手の主の名を呼んで、そうっと目蓋を持ち上げると、ぼんやりとした意識の中で、次第に鮮明に網膜がその人物像の形を結んた。
「ママだよ」
「あっ・・・ジェ・・・ジェジュン」
思わずママと呼んでしまったことが恥ずかしくぽっと頬を染めた僕を、でもジェジュンはいつもと変わらない穏やかな笑顔で包み込む。
やっぱりママだ。
「もう熱は引いたみたいだね。どう具合は?」
「うん、もう楽になったから。大丈夫」
「それはよかった。ユチョンが献身的に看病してくれたおかげだな。それにしても幸せそうに眠ってるけど」
ジェジュンがユチョンの鼻先をぴんっと指で弾くと、一瞬顔を顰めたがそのまままた気持ち良さそうな寝息を立てた。
「このまま寝かせてやりたいけど、ジュンスが動けないな」
ユチョンは僕を抱き締めたまま眠っている。
抱き締めてと言った僕の言葉を守ろうと、眠っているのに一生懸命なユチョン。
このままでも僕は一向に構わないけど、ジェジュンは僕が可哀想と思ったのかさっと立ち上がり窓辺へと向かった。
「はーい、起きろ起きろ」
シャーとカーテンが開かれ、目に眩しい光が突き刺さる。
ジェジュンはフンフンと鼻歌を歌いながら、またベッドの横に戻って来て、僕を抱き締めたまま寝こけるユチョンの背中をバシッと叩いた。
「ううん・・・何だよ・・・まだ眠い・・・」
寝ぼけ眼のユチョンが、恨めしそうに目蓋を擦ると、ジェジュンがにやっと笑って、ユチョンの耳元で声を張り上げた。
「ユチョン、起きろ!ジュンスが!」
「ジュンス!」
ガバッと跳ね起きたユチョンが僕を揺さぶる。
さっきまであんなに眠そうだったのに、突然完全に目を覚ましたユチョンに呆気にとられて、何の反応も出来ないまま揺さぶられ続けた。
「ジュンス!ジュンス!どうしたんだ!また具合が悪くなったのか!ジュンス!頼む、何か言って!」
ユチョンが泣きそうに顔をしかめる。
冗談だよと言おうとした僕より早くジェジュンが爆笑した。
「あはははは、引っ掛かった。ユチョン、そんなに揺さぶると本当にジュンスの気分が悪くなるぞ」
「えっ?まさか・・・」
「冗談だよ。よく見ろ。ユチョンが一晩中献身的に尽くしたおかげで熱も下がってるよ」
ユチョンが僕のおでこに手を当てて、熱が引いているのを確認すると、ほうっと安堵の吐息を吐いた。
「良かった・・・ジュンス」
「あの・・・ありがとう、ユチョンのおかげだよ」
「さあさあ、ユチョン起きろ。あっ、ジュンスは念のため今日はベッドの中だぞ」
ジェジュンが僕とユチョンに言い聞かせるように、順繰りに指差してからドアに向かった。
ユチョンはジェジュンが背中を向けたのを確認すると、
「また来るから。側を離れないよ、ジュンス」
そう言って、僕のおでこにちゅっと唇を当てると、ジェジュンについて部屋を出て行った。
せっかく熱の下がった僕の顔は、まるで元の木阿弥のように、一気に熱くなった。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
甘ーい(≧▽≦)←古いなぁ
ジェジュンのママ的要素を書きたいと思ったら、的じゃなく本当にママになっちゃったーヽ(゜▽、゜)ノ
こんな優しいママに見守られているユス。
シアわせだー(´∀`)