マネージャーが大きな溜め息を吐いて頭を抱え、俺を追い払うように手のひらを細かく振った。
ソファーから立ち上がり深々とお辞儀をすると、ドアを開けて廊下に出る。
パタンとドアを閉めると、ふうっと安堵の息を吐いた。
俺はしゃべらなかった。
怒られ、宥められ、泣き落とされても、俺は絶対に理由を言わなかった。
俺がジュンスを想っていることは、恥ずかしいことでもないし、誰に知られてもいいと思っている。
ジュンスを好きになった時から、何を言われていいと言う覚悟は出来ている。
ただジュンスを貶める言葉だけは言えない。
俺が好きになったばっかりに、ジュンスが言われ無き中傷に晒されるなんて耐えられない。
あのスタッフが言った言葉は、俺の胸の奥に深く埋めて決して外に出さないと決めた。
あんな言葉がジュンスの耳に入ったら、ジュンスはこの恋に悩むだろう。
ただでさえ恋なんて、思い悩むことばかりなのに。
俺の口からは、絶対に言わない。
もう一度固く決心すると、ふっとここに来る前のジュンスの顔が脳裏をよぎった。
心配そうに俺を見つめるジュンス。
あんな顔させたくない。
でも、言えない。
ジュンスの笑顔を守るためにも言えないんだ。
俺にとって一番大事なのはジュンスだから。
「好きだよ、ジュンス」
ぽつりとつぶやき、ドアから離れようとした俺の腕が、突然強く引かれた。
「ジュンス!」
驚いた俺の前で、澄んだジュンスの瞳がゆらゆらと揺れたと思うと、みるみる涙が盛り上がり、その涙が零れる寸前に、ジュンスは両手を広げ俺に飛び付いた。
「ちょっ、ちょっと、ジュンス、ここマネージャーの部屋の前」
両手でジュンスの肩を掴み引き離すと、ここではまずいと言おうとして口を開きかけた俺の唇を、間髪入れずにジュンスの唇が塞いだ。
あまりのことに動けない俺の唇に、きつく自分の唇を押し当ててからゆっくりと離れると、潤んだ目で俺を見つめ言った。
「好き、ユチョン」
茫然とジュンスを見つめる俺の顔に、ジュンスの小さな手が伸び、鼻先をきゅっと摘ままれた。
「ばか、僕は何を言われても平気だよ」
「ジュンス・・・」
「あの喧嘩相手と話したよ。馬鹿だな、ユチョン。僕があんなことで傷付くと思った?」
「あっ・・・」
摘まんでいた鼻先を、今度はぴんっと指先で弾かれた。
「優しすぎるよ、ユチョン。僕、ユチョンとなら何を言われても平気。むしろ大声で叫びたいよ。他の誰でもないユチョンを好きになった僕って最高のやつだろうって」
涙の滲んだ目を細めて、ぺろっと舌を出したジュンスのくすぐったそうな笑顔に、俺の頑なな心が溶けていく。
そうだ、俺は何を恐れていたんだろう。
何も恐れることはない。
この笑顔がある限り。
「好きだ、ジュンス!」
俺はただ無我夢中で、目の前のジュンスを抱き寄せ口付けた。
To be continued.....
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そうだそうだー(≧▽≦)
ユスを好きになったじゅんじゅんって最高だろヽ(゜▽、゜)ノ←
やっぱりユチョンを救うのは、天使アジュンスなんだね(´∀`)
因みに、マネージャーを縛り上げて、ドアの影から覗いてるのはじゅんじゅんです( ̄▽+ ̄*)←皆も覗く?
さて、後2日・・・
いっそのこと、来年のクリスマスイヴまで書くってのはどうだろう( ̄ー ̄)←