戀 | infection  ~YooSu~

infection  ~YooSu~

YooSuが大好き!なじゅんじゅんのブログです。腐の気があるので気をつけて。

「ユチョン、好き」



うるんだ瞳で俺を見つめ、告白するジュンス。

俺は身動きもとれないまま、何も言えずにいた。



「ユチョン、僕のこと嫌い?」



淋しそうに眉をしかめ、目をふせるジュンス。

嫌いなはずがない。

好き・・・なのか、俺は・・・ジュンスを。



「ユチョに嫌われたら・・・僕」



肩を震わせて俯くジュンス。

泣いているの?

胸がきゅんっと鳴る。



「ユチョン!」



突然ジュンスが抱きついてきた。

俺の胸に顔を埋め、ぎゅっとしがみつく。



「ユチョン・・・何か言って」



言う?何を?

俺はそっとジュンスを抱きしめた。

大好きなジュンスの匂いを胸いっぱいに吸い込む。

大好きなジュンス。

そうか、俺はジュンスが好きだったんだ。

抱きしめたジュンスをそっと胸から離す。



「ユチョン?」



不安げなジュンス。

ジュンス、大丈夫。

俺も君の事が好きだから。

ジュンスに顔を近づけると、そうと察したジュンスが目を閉じる。

柔らかく甘そうなジュンスの唇に触れようとした瞬間。










「ユチョーン、起きろーーーーー!」



「ぐぇっ」



ジェジュンが俺の上にダイブした。



「いつまで寝てるんだ。まったくにやにやしやがって、いい夢見てたな」



ゆっ、夢?



「ほら、早く起きろ。皆、もうご飯食べてるぞ」



心臓が早鐘の様に打っている。

俺、なんちゅう夢を。

ジュンスに・・・・・キス?

やめろ、やめろ、やめろー。

俺は頭をがじがしと掻く。



「どうした?ユチョン」



ジェジュンが心配そうに覗きこむ。

俺はあわててにっこり微笑むと、なんでもないと言うように顔の前で手をひらひらと振る。



「変な奴。先に行ってるぞ、早く来いよ」



ジェジュンが部屋を出ていくと、大きな溜息をつく。

どうしてあんな夢。

しかも俺、夢の中でなんて思ってた?

”俺もジュンスを好きだから”

ジュンスを好きだなんて悪い冗談だ。

いや、友達としては大好きだ。

優しいし、滅多なことでは怒らない。

家族一のムードメーカーで、ジュンスがいないと淋しいとは思う。

ああ見えて人見知りで、そして照れ屋。

子供っぽいけど、人一倍努力家で尊敬している。

俺もジュンスの様になりたいと思う。

思うけどだからって、それ以上の感情なんて・・・。

夢だ。ただの夢。

きっとジュンスの顔を見れば笑い飛ばせる。

俺はやっとベットを抜け出し、リビングへ向かう。

リビングでは、皆が食事している。

チャンミンは皿まで食おうかって勢いで、もくもくと食べ物を口に運んでいる。

ユノはゆったりと新聞を読みながら、コーヒーを飲んでいる。

何だか父親のイメージがするってのは、どういうことなんだろう?

ジェジュンは、そのユノをじっと見つめながらコーヒーを飲んでいる。

その目恋する乙女だね。

俺の上にダイブした人と同じ人とは思えないよ。

ジュンスはというと、口に運んだ物をぽろぽろとこぼしながらも一生懸命食べている。

”あいかわらず可愛いな”

んっ?

俺今なんて思った?

あいかわらず?可愛い?

また頭をがじがしと掻く。



「あっ、ユチョン。おはよー。早く食べなよー、美味しいよー」



ジュンスが俺に声を掛ける。

よし、平気だ。

ジュンスの隣に座るとジェジュンが用意してくれた食事に手をつける。



「ユチョン、ユチョン。僕ね、やっぱりキスした方がいいと思うんだ」



「げほっ、ごほっ」



俺は口に入れた物を、喉に詰まらせる。

咳き込む俺の背中をジュンスが撫でる。



「ああー、ユチョン大丈夫?あわてて食べるからだよ」



「ジュンス、俺はやっぱりキスしないほうがいいと思うぞ」



ユノが言う。

どうしちゃったんだ、この家族は?

なんでキスの話?



「もう、ユノったらKY。やっぱりキスするでしょー」



ジェジュンが頬をふくらませている。



「そうかなー」



「そうだよ。絶対したいと思ってるよ」



「いや、分かりませんよ。する方はその気でも、される方はひょっとして嫌かも」



チャンミンまで!

皆、どうして・・・・・。

これって、俺の夢の話?



「ねぇねぇ、ユチョンはどう思う?」



ジュンスが子犬のような目で覗きこむ。

やめて、ジュンス。

今の俺にその目は違反だよ。



「どっ、どうって?」



「だから、キス!した方がいい?しない方がいい?」



俺が?ジュンスに?

ジュンスが俺の腕を持って揺さぶる。



「ねぇ、絶対した方がいいよね!ねっ、ユチョン」



そんな目で見つめられたら・・・・・俺。



「う・・・うん」



「やった!ユチョ、大好き」



ジュンスが抱きついてくる。

だめだ、心臓が爆発する。

俺、ジュンスと本当にキス・・・。



「やっぱりあのシーンではしなくちゃね」



「なっ、なんの話?」



「ほら、昨日のドラマ」



そういえば珍しく皆でドラマを見たっけ。

キスシーンかって所で終わったんだった。



「さっきからジュンスが、絶対キスするよねーって言い張ってね。皆で話してたの」



ジェジュンが説明する。



「そっ、そっか」



「えっ?じゃあユチョン、なんの話だと思ったの?」



ジュンスは俺の腕に手を回して、揺さぶる様に聞いてくる。

言えるかよ。

ジュンスとキスする話だなんて。



「いや・・・・・その・・・別に・・・」



しどろもどろに答える俺。



「変なユチョ。でもいいや。何の話か分からなくても僕の味方してくれたんだね!サランへ♡ユチョン」



だから、だめだって!

キス・・・・。

したくなるだろ?






続く