『Hero(Yoshiki Classical Version)』の映画への書き下ろし発表でYOSHIKIさんは「とても光栄です。自分で言うのも何ですけど、ヒーローをモチーフに、とてもきれいなメロディーというか、心にグサッとくる曲を書かせていただきました」とコメントされました。

『HERO』はYOSHIKIさんのクラシックコンサートでも、いつもボーカル(歌詞)ありで演奏されています。
そこで今回は、『HERO』の歌詞で”心にグサッとくる”箇所を紹介します。



Had life, life just begun?
I knew nothing could stay the same
But feeling, can feeling last forever?


曲の中盤で、特にBut feeling, can feeling last forever?
の歌詞がグサッときます。



Butは”しかし” canは可能性(“できる”)ではなく”推定”、lastは動詞で”続く”、foreverは副詞で”ずっと”で、合わせると、

” しかし、feelingはずっと続くのか? ”

となり、feelingの訳がポイントになります。


【feelingの単語の意味】
feelingは、”感じ”、”意識”、”印象”、”(理性に対する)感情”、”(強い)感情”、”感受性”、”感覚”、”雰囲気”、”印象”といった訳語になります。
派生させると、”ロックの初期衝動”や”初心忘るべからず”といった言葉も私は連想します。
さまざまな意味を持つ単語のfeelingですが、どの訳語が相応しいか考えます。

【feelingはプラスかマイナスか】
まず、このfeelingがプラスの意味かマイナスの意味か(≒ポジティブかネガティブか)、考えます。

Butの前後の文章で対比になりますが、”同じように続かない”か、”同じように続く”かの対比で、プラスとマイナスの対比表現ではないと思います。

また、feeling last forever”想いはずっと続く”と訳せます。
『Forever Love』や『La Venus』のコメントでの「全てのものは壊れていくけれども、僕たちは変わっていくけれど、でもその愛は変わらない」を連想すると、feelingはプラスの意味と考えたくなります。
ただ、『HERO』の文脈と合っているのか確認するまで、結論は出せません。
そこでもう一つ前のパラグラフを見ます。

Did I fail you Dear Like painless suicide
You buried the creed beneath blood – red roses


文脈をみると、この部分を受けてのfeelingだと思います。
このパラグラフは明らかにマイナスの意味なので、これを受けてのfeelingもマイナスの意味になるという結論になります。



【 But feeling, can feeling last forever? 
抽象的な表現は抽象的なまま受け取れば誤解が生まれにくいと思いますが、あえて上記をふまえて具体的にBut feeling, can feeling last forever?を訳すと、

(ともに歩んできた身内が道半ばでいなくなってしまって受けた)
”悲しみ”、“苦しみ”、”痛み”、”喪失感”、”後悔”、”怒り”、”モヤモヤ”、”罪悪感”…は、
ずっと続くのか?


というイメージになり、私の心にグサッときます。

露骨な表現ではないのでさらっとスルーしてしまいますが、じっとみると言葉の重みを感じます。



【自分の中にHEROがいて、feelingに打ち克つ】

歌詞をみると、かなり重いマイナスの要素が含まれていますが、曲全体を聴くと、それ以上にプラスのエネルギーを感じます。


このようなfeelingには、自分で打ち克つしかありませんが、『HERO』をはじめとするYOSHIKIさんの楽曲を聴くと勇気がわいてきて、打ち克つためのきっかけや手助けになってくれると感じます。


また、相応しいタイミングで、音源やコンサートで『HERO』を聴きたいです。



1月から8月までXJAPAN関連のテーマであったので、9月の更新はTHE LAST ROCKSTARSについて書こうと思います。