後編では、番組後半の舞台となったサウジアラビアでのコンサートと、選曲について触れていきたいと思います。
『RED SWAN』の影響力
番組では、進撃の巨人のテーマ曲である『RED SWAN』が中東でも広く認知されていることが、今回のオファーの決め手になったと紹介されました。
NHKでのアニメ放送という縁もあるでしょうが、この楽曲のインパクトは、日本での盛り上がり以上に「世界への扉」として機能していたのだと再認識させられました。
ヘグラ遺跡
紀元1世紀頃のナバテア王国による岩窟墓群、ヘグラ遺跡。青い空に赤い巨大な岩しかないその光景は、ハリウッドやヨーロッパとも違う、全く別の世界にたどり着いたような視覚的衝撃がありました。
「追悼」というテーマ
今回の番組では「追悼」という大きなテーマがありました。
会場であるヘグラ遺跡自体がお墓(岩窟墓群)であり、死者に想いを馳せる場所です。番組内では『REQUIEM』のシーンが抜粋されていました。
『Tears』や『Without You』だけでなく、YOSHIKIさんの楽曲には「生と死」の側面が多く含まれています。
今回のコンサートのテーマが「追悼」であったわけではありませんが、曲と場所が自然とリンクして相乗効果を生み出していると感じました。
『ALULA feat IBRAHIM』と、『LARMES』
セットリストの中で最も驚いたのは、ファンの間で「幻の楽曲」と呼ばれている『LARMES』が含まれていたことです。1993年頃からその名が知られ、アルバム収録も噂され続けてきた曲が、今回のコンサートで演奏されたのは大きなサプライズでした。番組ではホテルのピアノで練習されるシーンで流れました。
しかし、今回の番組ではイブラヒム・マーロフさんとの共作曲『ALULA feat IBRAHIM』に焦点を当てていました。
明るいハイトーンな曲を演奏する姿で紹介されていたイブラヒムさんが、この曲では低く重厚で、哀愁漂うメロディーを奏でていました。夜の巨大な遺跡を背に、YOSHIKIさんの土台にイブラヒムさんのメロディーが重なる様は、壮大で感動的でした。
今回の番組は、XJAPANの代表曲も触れつつ、『REQUIEM』、『ALULA feat IBRAHIM』という今回のコンサートを象徴する要素に焦点を当てており、秀逸な内容だったと感じます。