YOSHIKIさんが1990年代に制作したピアノ・ロックの曲について書いていきます。

XJAPAN『ART OF LIFE』
『ART OF LIFE』のクライマックス、I believe in the madness called ”Now”のパートは、XJAPANの楽曲の中で最もピアノ・ロックと呼ぶにふさわしいと思います。

I believe in the madness called ”Now”のパートは『ART OF LIFE』で3回唄われます。
『ART OF LIFE』の構成と共に説明します。

<第一楽章:最初から15分くらいまで>
意外ですが、第一楽章でピアノが演奏されるのは、最初の1分だけです。
後半の長いギターソロのときにもピアノは含まれていません。
I believe in the madness called ”Now”のパートは、8分50秒から1回目、14分10秒から2回目が演奏されます。

<第二楽章:15分から24分くらいまで>
ピアノソロパートが10分弱続きます。

<第三楽章:24分から最後(29分00秒)まで>
バンド演奏パートに戻ります。
27分15秒からピアノが加わり、ついにボーカル、ドラム、ピアノでI believe in the madness called ”Now”(3回目)のパートが演奏され、クライマックスを迎えます。


I believe in the madness called ”Now”(3回目)】
私は、この3回目のTOSHIさんのボーカルとYOSHIKIさんのピアノとドラムが同じ存在感で演奏される展開がピアノ・ロックだと感じます。

『Endless Rain』などでもボーカル、ピアノ、ドラムが同じ存在感で演奏されるパートはあるので、この部分を単体で聴くと単に最後はバラードになっただけにも聴こえます。

しかし、第一楽章のI believe in the madness called ”Now”の1回目、2回目と比較して聴くと、ドラムの激しいロックな曲に繊細なピアノが織り込まれてドラマチックなピアノ・ロックになったように聴こえます。

上記のように『ART OF LIFE』29分00秒のなかで、ボーカル、ドラム、ピアノが同時に演奏されているパートは最後の1分40秒しかありません。

そして、1997年解散までのXJAPANのほかの曲をみても、このようなピアノ・ロックに該当する曲はありそうでないと思います。



『ART OF LIFE』は1990年にデモ・テープが完成され、1993年8月25日に発売されました。
2023年は発売30周年ですが、YOSHIKIさんはピアノ・ロックの引き出しをこの時から既に持っていたと感じます。


THE LAST ROCKSTARSでも進化したロックな曲を楽しみにしています!


次回は、もう一つの1990年代に制作したピアノ・ロック曲について書いていきます。

ピアノ・ロック⑤につづく