YOSHIKIさんの楽曲をロックとバラードに分類しようとするとき、コンサートでYOSHIKIさんがドラムを叩いている曲がロック、ピアノを弾く曲はバラードという分け方がシンプルで納得できる分類方法だと思います。

(イントロやアウトロ、間奏パートでピアノを弾く曲やXJAPAN『WEEK END』や『BORN TO BE FREE』のように途中のCメロでピアノを弾いて、ドラムに戻るというパターンの曲がありますが、これはロックに分類してよいと思います。)


ですが、2016年のXJAPAN『La Venus』発表以降、この分類方法ではしっくりこない曲が多く出てきました。
サビやAメロの激しいドラムの中に綺麗なピアノが織り込まれているものです。
ロックな曲にピアノが入っているという意味でピアノ・ロックと書いていますが、うまく説明できないので、曲を挙げて思うところを書いていきます。


XJAPAN『La Venus』
美しいバラードと紹介されていますが、コンサートやTV番組ではピアノではなく、ドラムを演奏しています。
ピアノとドラムの比重が同じくらいで、XJAPANの新境地だと感じました。


XJAPAN『Angel』
『Angel』は、ピアノとボーカル中心のクラシカルバージョンやアコースティックバージョンで、音源版発売前から何度も演奏されていました。
そのため、XJAPAN『Angel』発売時、2分35秒から一気にバンドサウンドになる展開は予想外で驚いたという感想を多く目にしました。


YOSHIKIさんはこの曲について「美しいメロディーにアグレッシブな要素を加えれば、X JAPANのスタイルに合うのではと考えました。」とコメントされました。

このアグレッシブな要素(=バンドサウンド)についてもう少し考えてみます。


XJAPAN『Angel』とViolet UK『ROSA』は曲調・構成が似ていて、どちらも美しいメロディーにアグレッシブな要素が加わっているように感じます。

ただ、『Angel』の方が、”YOSHIKIさんのピアノ演奏”、”YOSHIKIさんのドラム演奏”と”YOSHKIさんの色”が付いた属人的な演奏に聴こえます。


美しいメロディーと”毒”や激しさのようなアグレッシブさを同時に表現した成果が、XJAPAN『Angel』におけるToshlさんのボーカルであり、YOSHIKIさんのピアノとドラムなのだと思います。



次回は、XJAPAN以外の曲でピアノ・ロックな曲について書いていきます。

ピアノ・ロック②につづく