5回目の月命日と息子の行動



今日は夫の5回目の月命日。

朝から御寺にお参りに行ってきました。



この1ヶ月は、短くて長かった。

そして。たくさんの気付きを得た。

今日はその私の気付きを共有する、ひとつ私の節目としたい。


おこがましいけど、できるだけ多くの死別経験者の方に見てもらいたいな。



  悲しみの中

死別後、世界は夫がいなくてもいつもの通りに進んでいく。


そのことに耐えられずに、インターネットで情報を検索しまくり、精神科の薬の力を借りながらなんとか日々を過ごしていく。



過ごしてるって言えるのかな?
ただ日が過ぎ去っただけ?
こんなんで生きてるなんていえないよな。
真面目に生きてる人に申し訳ない。


死別者ならおそらく何度も見たであろう、この図。
わかるようで全然分からない。


結局どうやったらこの悲しみから逃れられるのか。まさか一生続くのか。それならもう生きていたくない。そう思う。


ネットの情報では、死別から立ち直るために、数ヶ月〜数年かかるという。立ち直るってなに?受け入れるってなに?忘れて生きていくってこと?時間薬って結局夫がいないことに慣れるってことでしょう?


私は、この立ち直るや受け入れるといった言葉が大嫌い。受け入れられるわけないじゃん。きっと。一生。そんなこと言ってこないでよ。




ちょっとは落ち着いた?何度言われたかわからない。ずっと泣いてたらご主人も悲しむよ。そのうちいい人見つけてって、あんたに何がわかるの。


訳のわからない不安と苦しみで思考停止してしまう死別直後。ずっと悲しみの中にいた。ずっと苦しかった。私が生きてる意味ある?


  悲しみと向き合う

それが10月になって、変わった。


きっかけは、旅行だった。
息子と1週間の旅行で、家族の思い出を辿る。
最初はものすごく怖かった。
外出する時は不安薬と安定剤の残りが気になって、集中できない。でも、息子のうんち騒動のせいで、母頑張るしかなく、途中から普通になってきました。


自分の為に頑張るって相当難しい。
自分が食べるものなんてどうでもいいし、身支度もまともにできない。


でも、息子のことはなんとかちゃんとしたい。
手間のかかる息子を甲斐甲斐しく世話することで、なんとか少しずつ平穏が訪れてきた。


それから、蓋をしていた記憶が少しずつ思い出せるようになり、外に目が向き、興味関心が湧いてくる。少しずつ、悲しみと向き合えるようになったと思う。


また、この頃、大切にするものの優先順位を明文化し、しがらみがある人間関係からは距離を置きました。このことで、生活と考え方がシンプルになり、ストレスがかなり減った。


それが今。


そしてこれから、私はどうなるか。
私は、なんとなく分かっているんです。



  悲しみとともに生きる


教えてくれたのは息子。


思えばうちの息子。
多少の不安定さはありながらも、夫が死ぬ前も死んでからも行動は変わらなかった。『悲しくないよ。』という息子は、何かが普通と違うと思う。


これは知的障害の影響なのか、息子の特徴なのか。
息子には過去の厚みが存在しない。


『昨日、おとうさんと温泉行った』
『おとうさんが、昨日迎えに来た』
だいぶ前のことをつい最近のことのようにいう。


夫の遺体が自宅に帰ってきた時はピッタリ貼り付いて離れなかった息子。


学校で作った自信作は必ずお父さんに供える息子。


夜にお父さんの写真をみて、お父さんこわーい。
怒ってるよ。という息子。


ご飯を食べるときには、必ず『おとーさんのごはんは?』と確認する息子。





にっこり『おとうさん ごはん したよー🍚』


と、仏壇に備える。

いつからか、おとうさんのご飯をよそうのは息子の仕事になった。



息子は最初からずっと

いままでも、これからも

『おとうさんと共に生きている。』んだ。



それが、息子から学んだ、私が行きついた答え。

立ち直ったり、受け入れたりする必要ない。

だって一生受け入れられない。

私はただ、これからの日々を息子と夫と共に生きる。

思い出がきっと私を生かしてくれる。



今はまだ、そこまでの境地にいたれてなくてですねニコニコ

いまだに涙や不安は襲ってくる。


悩んだとき、道はきっと息子が示し続けてくれる。だから、私は大丈夫。

そう思える。(根拠はない昇天



似たもの同士の私と夫。

私と夫が逆の立場だったら、私は夫にどう生きて欲しいと思うかな。答えは明白だ。



お別れはちゃんとできなかったけれど、私たち結婚できて、私も夫も、そして息子も幸せだったと思うんだ。


1番肌の調子がいいときに写真になっちゃってさ、老けないなんてなんかずるい。



夫のことを世間が、世界が忘れてもいい。

私がここで発信し続ける。

それで、夫は生きている。



息子のだいすきの順番は、これからもきっと変わらない。



おとうさんは1番のお母さんの次。

これからもずっと2番目にだいすきだよ。


『ともに生きる。』




イベントバナー