角蝉話 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

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日本は、一足先に、母の日ですか。



ツノゼミと云う名前の昆虫が居ます。下の図を見て貰えば判ると思いますが、頭に、一見無用の長物としか思えない様な、奇怪な形の角(英語では、helmet[ヘルメット]と云う表現)を持って居ます。(コチラにもっと画像があります。)以下に述べる様に、角の在る場所は、実は、頭ではないのですけど(笑)。
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(写真はコチラから拝借)

一般に昆虫は、3対の脚と2対の翅を持って居ます。種に依っては、一部の脚や翅が退化して、少ない数の脚や翅を持っているモノも居ますが。

寡聞にして知らなかったのですが、実は、化石種では、翅が3対の昆虫が知られているのですね。下の図の←で示されているのが、現存の昆虫では、失われている第3の翅です。

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(図はコチラから拝借)


現存の昆虫では、翅が胸部の3体節のうち2、3番目の体節から生えていますが、この化石種の←の翅は第一体節から生えています。

一方、ツノゼミの角(ヘルメット)は、コレ迄の説では、胸部第一体節の外骨格であるクチクラが肥大して創られたモノとされていましたが、実は、これは進化的には、上で述べた第3の翅に相当することが明らかになった、そうで(原著論文はコチラ)。

角(ヘルメット)が、これ程多様な形態を進化の過程で獲得出来たのは、それが、他の昆虫では退化している、つまり、飛ぶのには必ずしも必要のない第3の翅由来だからで、本来の役割から解放された構造が、自由に新しい機能と形態を進化させた、と云うお話。

ふむ、面白い。

Fri, May 06



Sat, May 07