オバマ | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

オバマが、この小さな街に来ていたそうで、家に帰ろうとしたら、道路が封鎖されてました(笑)。やれやれ。もう直ぐ、中間選挙ですが、オバマ人気に陰りが出ている今、必死の巻き返しを図っているようですねぇ。


ネタのない時は、コレ。

突然ですが、書評。
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柴田よしきは、これ迄読んだことがなかった、或いは、大昔に数冊読んだことがあるかもしれない(がスッカリ忘れている)、要するに、普段は私には馴染みがない作家であった。最近(と云っても数年の単位であるから結構長い・笑)、一定の限られた作家の本しか読んでいないので、少し違う作家にも目を向けようと、名前だけは知っていて、ミステリィ作家だと認識していた(そう、ミステリィが好きなのである) 柴田よしきの作品を買ってみたのが、今回読んだ本、『やってられない月曜日』である。

途中、ふたつ程、勘違いに気付く。

ひとつは、柴田 よしきが、男性だと思っていたこと(笑)。そして、本作はミステリィではなかった。

しかし、この勘違いは、マイナス要因ではなく、むしろ、良い意味で(無意識の)期待が裏切れられて、得した気分である。

タイトルから察せられる様に、物語は、『やってられない月曜日』から始まり、『誰にもないしょの火曜日』、『とびきりさびしい水曜日』、『甘くてしょっぱい木曜日』、『それでもうれしい金曜日』、『命かけます、週末です。』、『またまた、やってられない月曜日~エピローグ』と続いて行く。あ、かと云って、たった一週間の話ではないですよ。

主人公は、百舌鳥 弥々(もずやや)、大手出版社の経理部に勤めるOL(と云う言葉は死語かな?)であるが、コネで入社した為に、引け目を感じつつも、それが故に仕事には熱心に取り組んでいる・・と、粗筋を説明しても、本書の魅力を伝えることは(私の筆力では)出来ない。

身も蓋もない云い方をすれば、『平凡な』主人公の日常を書いただけ、なのであるが、読者は、一見平凡に見える人々(=登場人物達)の内面にヒッソリと潜む秘密を、誤解を恐れずに云えば、こっそり覗き見する様なワクワク感を体験出来る。しかし、解説の井坂 聡がいみじくも書いている様に、『もちろん本書が、そんなオトコの覗き見願望を満たすための』ものではない。人間の持つ内面の複雑さを描き乍ら、重々しくなることはなく、逆に、実に軽いタッチで、サラリと書き上げられているが故に、そう感じるのであって、其処に作家の力量を感じる。

先に『本作はミステリィではなかった』と述べたが、実は、作中の至る所に、ミスティの匂いが感じられ(実際に事件も起きるのであるが)、作者がその気になれば、恐らく、本作全体が、もっと大きなミステリィ作品中のエピソードとなるような大作を書くことも可能なのではないだろうか。

Fri, Oct 29