寄生菌 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

毎週金曜日の昼はセミナーがあるのですが、新しいfacultiesが数名入って、彼等に演者の選定を任せている所為なのか、去年辺りから、ろくなspeakerが来なくて、タイトルを見ただけで行く気が失せるようなのばかりで、最近は、時々、クッキーとコーヒーが欲しいだけの不純な動機で行くだけです。

今日も小腹が空いたので、クッキーを食べに行ったのですが、意外と面白い話でした。サイエンスとしては、全然レベルが低いのですが、私の知らなかった世界と云う意味で、へぇ、と。

BdellovibrioとかMicavibrioと云う細菌が居ます。それぞれ、例えば、大腸菌とか緑膿菌を宿主として、其れに感染することに依って、ファージのように、宿主内で増殖して、最終的には宿主を破壊して出て来ます。

その感染のメカニズムや増殖のメカニズムなど、生物学的に興味のあるサイエンスの部分に関しては、未だ、何も分かっておらず、そう云う意味ではレベルが低かったのですが・・・。


実験室では、細菌はフラスコやシャーレの中で飼いますが、自然界では、バイオフィルムと云うものを形成して、その中で暮らしています。身近な例で云えば、歯垢なんかがそうですね。食器洗いに使っているスポンジの中にも普通に形成されています。医療の現場では、手術用の器具の内部にバイオフィルムが作られたりして、知らない間に汚染されていることもあるようで、更に、バイオフィルムに守られている御陰で、病原性の菌が抗生物質や免疫に対して抵抗性が高くなるのも問題。

そこで、BdellovibrioMicavibrioのような寄生性の細菌を、悪い菌を退治するのに使おうと云う発想。これらの寄生性の菌自体も、そもそもがバイオフィルムの中で生育するので、実験的には、極少量を植え付けてやるだけで、バイオフィルムの中で宿主の細菌を喰い荒らし乍ら増殖して、やがて、宿主の菌は死滅してしまい、最後はバイオフィルムの基質だけ残る、と云う訳。捕食性の菌自体は、ヒトに対する病原性も抗原性もほとんどなく、将来は、直接、人体に薬の様に接種して、悪玉菌を退治する、と云う日が来るのかも。

心理的には、ちょっと、厭だけどね(笑)。

今日のつぶやき:

Fri, Dec 04


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