カエルツボカビ症の原因とされている、ツボカビの一種であるBatrachochytrium dendrobatidisは、一説には、我がアフリカツメガエル(Xenopus laevis)から世界中に伝染したと云われています。と云うのも、1930年代から'40年代にかけて、このカエルは妊娠検査薬(って薬じゃないけど)として広く使われていたからです。つまりは、検査対象の女性の尿をカエルに注射することで、もし、カエルが尿中に含まれているホルモンに依って刺激されて卵を産めば、彼女は妊婦さんの可能性が、と云う仕組み。ただ、アフリカツメガエル自身は、免疫力が強いので、ツボカビ症で死ぬことは少ないようです。但し、これは、飽くまでも、一説であって、本当にXenopusの所為で(と云っても、それは、カエルを広めたのは人為的な訳ですから、つまりは人間の所為なんですが)、現在見られる様な世界規模でのカエルツボカビ症による野生両生類の死滅が起きているのかは、議論の分かれるところですが、それはさておき、事実としてB. dendrobatidisが両生類にカエルツボカビ症を引き起こすのは間違いないようです。しかし、これまで、何故、このカビの感染が致死に至るのか良く分かっていませんでした。
それが仕組みは、未だ分からないものの、現象として何が起きているかが、初めて報告されました。原著論文は明日出版されるScienceに載るようで見られませんでしたが、Australian green tree frogs (Litoria caerulea:和名、イエアメガエル) を使った実験に依れば、カエルの皮膚と云うのはそもそも水を自由に通すのですが、その際、体内のナトリウムやカリウムと云った電解質イオンが流れ出てしまわないように留め置く仕組みがあるのですが、カビに感染したカエルの皮膚では、その制御が上手く出来ず、ひいては、それが体内のイオン不足によって心臓の働きに影響が出て、最後は、心停止で成仏。
病気のカエルを、高電解質の溶液(ポカリスウェットのもっと濃い奴とか)に浸けておくことで、延命は図れますが、fieldに於いて大量の野生カエルに対して、同じ処置は施しようがないですし、そもそも原因となるカビに依る皮膚の損傷を治せない以上、根治は出来ません。
と云う訳で、今現在では、これが分かったからと云って、何の解決にもならないのは事実ですが、一歩一歩積み上げて行くことで、地球上から両生類が消えてしまう前にどうにかしたいものです(って、私自身にはどうにも出来ませんが)。
ひとつの懸念は、これで、また、Xenopusが悪者にされて、研究上のカエルの遣り取りが、難しくならなければ良いのだけれどね。
今日のつぶやき:
Thu, Oct 22
- 22:16 松井同点ヒット。
- 17:55 五日程前から、行方不明の(他)大学生、未だ、見付からず。大学のアリーナにコンサートに来て、途中で外に出て(ルールで)中に戻れず、そのまま所在不明。誰かに拉致されたんじゃないかね。無事だと良いが。http://oneclip.jp/eiYGkZ
- 15:42 寝不足は物忘れの元。通りで・・・。 http://oneclip.jp/c1cEAN
- 15:15 ツボカビ問題再燃か? http://oneclip.jp/1rQCMK
- 13:41 出るのは溜め息ばかりなりぃ。
- 13:13 But their animal doesn't have a nickname. ........ It seems unlikely that Afradapis will get its own Google logo. http://oneclip.jp/EwtFsC
- 11:56 フランスパンを齧り乍ら、論文を読んでいたら、半分喰っちまった。炭水化物摂り過ぎ。
- 04:04 最初の覚醒をすっ飛ばしたような間隔。4時間で中途覚醒。
- 04:03 おめでとうございます。 RT @5goukan 私も著者の一人だったりする。【毎日jp】オタマジャクシ:尾は免疫拒絶で消える 新潟大チームが仕組み解明 http://bit.ly/2in1qw
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