Seckel症候群(Seckel syndrome)
と云う病気があるそうです(cache
)。1960年にSeckelが報告した疾患で、出生前後から始まる成長障害で、小人症、小頭症などの特徴が見られ、原因遺伝子が複数あるようですが、今回、この病気の疾患モデル・マウスが造られたと云う報告が、ちょっと前に出版されたNature Genetics
に出ていました(cache
)。
細胞にはその細胞周期に於ける異常を感知する機構が備わっており、例えば、DNA傷害やDNA複製阻害は、負の細胞周期制御系であるチェックポイントを活性化させる。そこでは、ATMキナーゼやATRキナーゼが活性化され、その下流の一連のリン酸化カスケードが活性化され、細胞はDNA修復・複製が終了するまでG1期やG2期で停止する。
Seckel症候群の原因となっている遺伝子変異のひとつに、このヒトATR遺伝子の第9エクソン(=エクソン9)内のA>G変異が知られている。
その結果、スプライシングの際にエクソン9がスッポリ飛ばされた機能の低下したATRタンパクが造られ、それが原因で病気になると考えられている。
ヒトの遺伝子とマウスの遺伝子では、イントロンの配列には余り保存性がなく、単純に相同な変異をマウスのエクソン9に導入しても、ヒトと同じ様な効果が出る保証がないので、先ずヒトの遺伝子のエクソン8から10を完全に含む領域(つまりイントロン7の一部からイントロン10の一部を含む領域)をそっくりそのまま、相当するマウスの遺伝子領域と組み替えて、エクソン8-10の領域だけヒト由来の配列からなるキメラATR遺伝子を持つマウスを作製し、その遺伝子にヒトでSeckel症候群の原因であることが判明している変異を導入することで、ヒト遺伝子の場合と同様にスプライシング異常が見られ、Seckel
症候群特有の症状をマウスが示したと云うお話。
このマウスの重要性は、何故、
DNA傷害やDNA複製阻害のチェックポイント機構の阻害が、この様な特異的な症状になって現れるのかを分子レベルで調べる際の格好の材料となることからも分かる。と云うのも、元々の遺伝子異常が見付かった家系は、今ではどうやら、絶えてしまっているようで、ヒトでは検証が出来ないから。
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