蝶南下 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

Steven Reppert のセミナーがありました。

サーカディアン・リズム(概日リズム、平たく云えば体内時計)屋。マウス、ショウジョウバエ、最近では、蝶々(以下参照)を、自在に駆使して居る模様。


Biology departmentのセミナー・シリーズですが、年に何回かgrad students/postdocが主催で演者を呼んで来ます。今日のはそのひとつ。

いやぁ、面白かった。

内容?

面白かったと云う事以外、覚えてません(爆)。最近、歳でね。


と云うのも、あんまりなので、ぇ~っと、思い出せる範囲で(←いや、マジ、blogって、ボケ防止に良いかも)。

Monarch(学名: Danaus plexippus ; 和名: オオカバマダラ )と云う蝶がいますが、渡りをする事で有名です。広く北米に分布していますが、ロッキー山脈より西の集団と東の集団に大きく分けられるようです。秋になると、西の集団はカリフォルニア州の中部から南部へ。東の集団はメキシコの或る地域を目指して一斉に南下するそうです。そこで越冬し、3-4世代を掛けて(つまり、一世代が短命です)徐々に北上し、また、秋になると、今度は世代交代無し(長寿です)に南下を始め、その際には異動距離は4,000kmにも及ぶ、と云う不思議な生態を持っています。

様々な謎がありますが、Reppertのlabでは、蝶がどうやって移動の方向を見誤らず南下出来るのか?と云う謎に、サーカディアン・リズムの観点から解明を試みています

大雑把に云うと、要は、基本的に太陽に向かって飛んで行く訳ですが、真昼には、そのまま、太陽=南へ向かって問題ない訳ですが、午前中は太陽は東側、午後には西側にありますから、真直ぐ太陽に向かって行くとコースを外れてしまいます。そこで、体内時計の働きに依って、午前と午後では、太陽の方向に真直ぐではなく、向きを補正して南へ向かうと云う訳。そこに関わる体内時計の分子機構の説明とそのシグナルがどのように脳へ伝わるかと云う解剖学的説明も綺麗。お見事。

他にも、進化的な見地から云えば、時計(遺伝子が作る)タンパクのひとつCRYが2種類存在し、ショウジョウバエと哺乳類ではそれぞれ別なタイプの物をひとつだけ持つ様に両極端に分化しているのに対し、他の昆虫ではその両方を持つことや、ショウジョウバエではCRYが光依存性の磁気感受性に関わっており、つまりは、オオカバマダラが、太陽の他にも、(体内時計依存的に)地磁気を感知して方向を見定めている可能性を示唆する等、豊富なdataを万人にも分かり易いプレゼンテーションで示して呉れましたが、如何せん、私のバックグランドの知識の欠如、記憶力の低下、貧弱な英語力並びに日本語力等々の故に、この程度の紹介しか出来ませんが悪しからず。詳細を知りたいひとは、原著論文 を参照されたし。


セミナーは昼でしたが、その後の演者とのランチへ出ていたgrad studentの話に依ると、Monarchは業者から買えて一頭$7とか。安いのか高いのか?良く分からないが、そもそも、何で業者から買えるのかと云うと、weddingで蝶を放つバカップルが居たり、他にも何かのイベントで放蝶をしたりとか、商売として成り立っているようで、をいをい、生態系を乱すんじゃなぃ、と思った次第。


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